COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
日々ランニングをしている方にとっては、ランニングをする周期、朝夜どちらの時間帯に走るのか、など様々でしょう。仕事の関係で夜しかランニングができない方もいれば、子育ての関係で朝しかランニングできないなど、それぞれ都合があると思います。
人間の身体は一日24時間を通して常に同じ状態ではありません。果たして朝ランと夜ラン、どちらが身体にいいのでしょうか?
今回はそんな疑問にお答えするべく朝ラン、夜ランのそれぞれのメリットを人間の身体の構造を交えながらお伝えしていきます。
どうしても、どちらかの時間帯でしかランニングができない方もいるかと思います。それぞれのメリットもあるので是非ご参考にしていただければと思います。
この記事を読んでいただいているランナーの方々ももちろんですが、1日の流れと共に人間の身体はだいたい24時間周期で体内時計、いわゆる「リズム」を持っています。
一日を通し、起きている時と寝ている時、などわかりやすいものから、体温の変化や自律神経、ホルモンバランスなどあまり自覚症状がないものまでさまざまです。
仕事などで生活リズムは人それぞれかと思いますが、基本的に人間の体温は、寝ている時間に低くなり、起きてから身体を動かし始めると徐々に体温が上がってくる傾向にあります。その後夕方から一番高い体温になり、深夜になるにつれてまた下がっていき、就寝後深い眠りに入ると一番低くなります。
生活のリズムではなく、人間の生体リズムを整える自律神経から考えると、リラックスしている時、いわゆる睡眠している時に優位に働くのが副交感神経で、活発に働くとき、いわゆる日中の仕事の時間や学校へ行っている時間帯に優位にはたらくのが交換神経になります。
一日の体温のリズムと、自律神経視点でランニングを考えてみると、一日を通して体温が高く交感神経が活発になっている夕方前くらいが一番ランニングに関しては適した時間と言えるのですが、朝ラン、夜ランでもそれぞれのメリットがあるようです。
どうしても仕事などの関係で朝しかランニングができない方もいらっしゃるかと思いますが、朝ランは朝ランでメリットがあります。
一番は朝からランニングや体を動かすことで、一日のスタートが切れたりそのあとの仕事がはかどったり気持ち的な部分が大変大きいでしょう。 朝、日光を浴びることで、体内リズムをリセットして活動するスイッチを入れることができます。夜に熟睡するためにも朝の日光浴は大切なので、このことからも朝ランのメリットはあると言えます。
ただ、朝ランを行う場合には、身体がまだそこまで体温が上がり切っていない状態なのでランニングの前にはしっかりと体温を上げておくことが必要となります。
体温と言ってもここで気にして欲しいのは「深部体温」の事で、表面上の体温、いわゆる皮膚の体温ではなく、内臓などの内部の温度の事を言います。
この深部温度が上がっていない状態でランニングや運動などを行うと怪我をしやすいため注意が必要です。深部体温が上がらないと体へ指令をだす脳も活性化していないため、筋肉、神経への指令がうまく行われずに思わぬ怪我につながる可能性があります。
怪我の防止の為にも、しっかりと深部体温を上げておくことが重要なのですが、では実際にどのように深部体温を上げればいいのでしょうか。
あまり余裕もない朝の時間。手っ取り早く深部体温を上げるのに適しているのはバナナやゼリーなどの軽食をとって、エネルギー補給をしっかりとしておくことです。
睡眠中は想像以上に水分を失っています。平均で500mlから、夏場の多い時には1リットルもの水分が失われているので、このことからもエネルギーを事前に補給しておいた方がいいでしょう。
仕事や学校から帰ってきて、夕方から夜にかけてランニングをする方も多いと思います。先にご紹介していている体温から考えると、体温が高いこの時間にかけてランニングを実施するのは有効的と言えます。
先ほど朝ランでご紹介している、深部体温の関係で夕方~夜にかけては体温がもっとも高くなります。また、ある研究ではこの深部体温が高いとそれに比例してパフォーマンスも上がる事が分かっています。
こうしたことから考えれば、マラソン大会に定期的に参加しているベテランランナーの方はもちろん、大会記録を重視したトレーニングを行うのであれば夕方から夜にかけての時間帯でランニングをした方が効果は得られるかもしれません。
但し、夜ランをする際には気を付けなければいけないことがあります。
それはランニングをする時間です。深部温度は夕方から夜にかけて最も高くなるのですが、ピークを過ぎれば睡眠に向けて温度は下がっていきます。
なぜ、睡眠に向けて温度が下がっていくのかというと、人間の身体は睡眠中の深部温度を下げることにより、体内の臓器や筋肉を休ませるためにあります。
そのためある程度生活のリズムができている方は特にですが、睡眠に入る数時間前から徐々に体温を下げて無意識に寝る準備を整えています。
トレーニング後にしっかりと身体を休ませ、回復させることも重要なので、深部温度を下げようとする身体の働きを妨げないことがしっかりとした睡眠につながります。
逆に、トレーニング、ランニング後にすぐ就寝しようとすると深部温度が下がり切っていないので、なかなか眠れなくなってしまったり、体力の回復の妨げになったりしてしまうため、夜ランをする際は就寝時間を計算して約2~3時間前にはトレーニングやランニングを終えておくようにしましょう。
また、ランニング後にしっかりとした睡眠をとるためには湯船につかることも心がけるようにしましょう。これも、深部温度に関係してくるのですが、湯船につかることで体温が一気に上がるため、その反動で湯船からでて就寝するまでに一気に深部温度が下がるので心地よい睡眠に入りやすくなります。目安としては就寝をする1時間~2時間前には湯船から出ておくことで就寝するころには最適な深部温度になっています。
夜ランの際は防犯対策でなるべく人通りがあるところや、明るいところで行っていただきたいのですが、街灯や看板、お店の光などは自分が思っているよりかなり強いです。この時間帯に強い光を浴びてしまうとホルモンの分泌がうまく行われずに睡眠の質が低下してしまう恐れもあります。
ただ、防犯面からもなるべく明るい場所でランニングを行っていただきたいので、ランニングを終えて部屋に戻った際はなるべく光を落として就寝までの時間を過ごすようにしましょう。
今回は朝ランと夜ランのメリット、注意点についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
どちらがいいとは一概には言えないのですが、体温に関係してくることもありベテランランナーの方は夜ラン、気分転換重視でランニングを行う場合は朝ランという形で目的別でランニングする時間帯を選ぶのもいいかもしれませんね。
ただ、朝ランも夜ランもそれぞれ注意するべきポイントがあるので必ず忘れずに心がけるようにしましょう。
今回は朝ラン、夜ランの2つに分けてご紹介しましたが、それぞれの時間帯でメリットはあります。ご自身の生活リズムにフィットした時間帯でのトレーニングやランニングを行うようにすることが、負担なく継続的にトレーニングやランニングに励むことができるコツかもしれませんね。
こんにちは。
— UP RUN実行委員会 (@UP_RUN_tw) December 23, 2024
昨夜は空気が澄んでいて星が綺麗でした☆
さて、今週のアップランマラソン大会は
28日
第165回スポーツメイトラン皇居マラソン
29日
第71回UPRUN市川江戸川ハーフマラソン
30日
第32回スポーツメイトラン府中多摩川風の道マラソン
31日
第199回UP RUN皇居マラソン
全て年末特別Verです。 pic.twitter.com/smWjGid1Gb