COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
マラソン大会に向けて日々トレーニングをしている方の中には、花粉症対策やウィルスの感染予防のために、やむを得ずマスクをしながらトレーニングやランニングを行っている方も多いはずです。
では、そのマスクはトレーニングをする上で身体を鍛える上では有効的なのか、気になりませんか??どうせつけるものならば、トレーニングにも有効的であれば一石二鳥ですよね。
この、マスクとトレーニングの関係性については、調べてみると様々な意見があるとは思います。
今回は、通常のマスクをしてトレーニングをしてみることを想定し、UP RUN視点で身体にもたらす影響などを考えてみたいと思います。
マスク自体は普通にしていても息苦しいモノ。仮に効果が認められたとしても、着けてトレーニングした方が絶対に良いです!とは言えませんが、どうしてもつけなければならない時の為に、ランナーの皆様には知識として備えておいていただければと思います。
トレーニングやランニングで、身体を動かす際に一番重要な事は、十分な酸素を体内に行きわたらせることです。
その際に体内に酸素を効率よく取り込むことが重要になります。マスクしながらトレーニング、ランニングを行うと、マスクは呼吸の妨げにもなるため酸素が効率よく体内へ取り込めず、本来のパフォーマンスが発揮できない事が考えられます。
また、普通の薬局などで購入できるマスクのほとんどは、呼気から出る水分で時間が経つにつれて湿ってくるため、不快を感じストレスにつながります。
普通につけているだけでも耳が痛くなったりもするので、トレーニングやランニングの際はつけたくないのが本音かと思います。
これらのことから、少なからずランナーにとってマスクをしてトレーニングやランニングを行うのはデメリットしかないように思えるのですが、果たしてマスクをすることで得られるメリットはあるのでしょうか?次にご紹介していきます。
マスクをしながら体を動かすことは、体内へ効率よく酸素を取り込めないのは先にお伝えしました。
よく、同じような状況下のトレーニング方法の一つに標高の高い場所で行う「低酸素トレーニング」というものがあります。実際にマラソン大会が行われる平地より、酸素が薄い標高が高い場所でトレーニングを行う事により、厳しい環境に身体を順応させ厳しい環境下で最大限のパフォーマンスを引き出せる効果が見込まれます。フルマラソンなどの長い距離を走るために必要な持久力や呼吸器を鍛えるトレーニングです。
この低酸素トレーニングですが、マスクをしてトレーニングやランニングをすることで代用になるのでしょうか。
この見解については様々な意見があるのは事実ですが、普通の市販のマスクを着用するならば、低酸素トレーニングと同じ効果を得るのは正直難しいと考えた方がいいかもしれません。
ある実験の結果では、マスクの有無で同じトレーニングを行った際に、酸素摂取量、心拍数に有無による変化は見られなかったものの、マスク有の場合呼吸数は低下するが一回の換気量が増加した傾向にある実験結果はあります。
つまり、マスクをしながら運動をすると酸素摂取量は変わらず呼吸数は低下するものの、一回の換気量が多くなる為、マスクをつけて身体を動かすことで感覚的には「息苦しい」と感じますが、実際はマスクを着けても着けなくとも同じ量の酸素を吸っているという結果になります。マスクを使用してトレーニングをした際、気道の抵抗が増すとその負荷に対応するべく呼吸筋の速度を遅くすることで、一回の換気量が増加するようになるようです。
要約すると、マスクをつけることで呼吸の妨げになるので、呼吸筋をいつもより多く動かし一回に吸う酸素量を多くしよう、という事になります。
先ほどマスクをつけてトレーニングやマラソンをすることはあまりメリットは無いような形でお話しいたしましたが、呼吸筋をいつもより活発に使うようになるという点においては「呼吸筋を鍛えるトレーニング方法」としてマスクは有効に働きそうです。
では、実際に呼吸筋を鍛えることで得られるメリットをご紹介していきましょう。
他の記事でもご紹介をしていますが、 人間が運動をするにあたり必要なことはエネルギーの元となる酸素を多く体内に取り込むことです。
マラソン、ランニングなどの有酸素運動では多くの酸素が消費されます。
エネルギーを多く使うフルマラソン、ハーフマラソンでは多くの酸素が必要になります。体内に取り込まれた酸素は、血中のヘモグロビンを結びつくとことで全身に運ばれます。
酸素は血中に吸収され、心臓が収縮するごとに身体全体に送り出されます。このことからも、いかに効率よく酸素を体内に取り込み、酸素を身体にいきわたらせるかがマラソンやランニングにおいて重要なポイントとなります。
ベテランランナーの方もそうですが、特にスポーツ選手は呼吸器の能力が高い為、肺活量も大きく一回の呼吸で多くの酸素を体内に取り込むことができます。
当然ですが、空気を吸い込む、呼吸をするためには肺を膨ませる必要があります。
肺が膨らむときは、胸壁にある呼吸筋(内肋間筋,外肋間筋、横隔膜)が強く働きます。
という事は、今回マスクをしてトレーニングやランニングをすることで活発に働くこの呼吸筋を鍛えることで、呼吸器能力を向上させる働きがあると考えてもいいかもしれません。
様々な見解や医学観点から見ても、「マスクをすることで絶対に呼吸筋を鍛えられる」とは言い切れないのですが、人間は呼吸をする際に必ず肺を動かします。その肺を動かすためには呼吸筋が必要となってくるため、マスクをつけてトレーニング、ランニングをすることにはメリットが無いとも言い切れませんし、むしろ肺活量のトレーニングには有効に働く可能性もあるかもしれませんね。
マラソンやランニング、大会に向けてのトレーニングは、暑くなる季節はただでさえ熱中症のリスクがあります。
マスクを普通にしていても気温が高ければ暑いと感じるため、マスクをしながら体を動かすとこの熱中症のリスクは高まる傾向にあります。
そのため、気温が高い日にマスクをつけてトレーニングをする際は無理をせずに負担の少ないスピードで走るようにし、こまめに水分補給をするようにしましょう。
ここで気を付けて欲しいのは、体調に変化があったとき「マスクをしているから苦しいのは当たり前」、「マスクをしているから身体が熱くなっているだけ」と、ついつい考えてしまうこと。マスクをしているからではなく、少しでも不調を感じるようであれば早めに休憩をするなどの対処を忘れないようにしましょう。
また、気温が高くなる夏場は紫外線の量も増える季節です。
女性は特に気を付けていただきたいのですが、マスクをして紫外線に当たれば、当然マスクの跡がくっきり残って日焼けムラを起こしてしまう可能性があります。
日焼け止めクリームを塗って走るのも効果的ですが、100%日に焼けないわけではないので、トレーニングやランニングをする時間帯や日に当たらない場所を考慮しながら行う事も考えるようにした方がいいかもしれませんね。
今回はマスクをしながら行うトレーニングやランニングについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
マスクをつけて運動をするにあたり、得られる効果は様々な見解があるためにどれが正解なのか分からなくなる場合もありますが、少なからず肺機能のトレーニングにはつながると考えてもいいかもしれません。
ただ、標高が高いところや、低酸素ルームなどで行う本格的な低酸素トレーニングとは比べてしまうと効果は薄れるかもしれません。ある程度は肺機能の向上につながると思います。
マスク自体は普通にしていても苦しいものなので、つけて運動すれば余計に苦しくなりますが、マスクのせいにせず、いつもと違う身体の変化を感じる時の無理は禁物です。
必ず自身の身体を観察しながら、トレーニングやランニングを実施するように心がけましょう。
こんにちは☆
— UP RUN実行委員会 (@UP_RUN_tw) December 3, 2024
体を動かして温まるのいいですよね(^ ^)
さて今週のアップランマラソン大会は
7日
第74回スポーツメイトラン赤羽荒川ハーフマラソン
8日
第71回UPRUN新横浜鶴見川マラソン
第69回スポーツメイトラン東大島小松川公園ハーフマラソン
まだお申込み可能☆https://t.co/Vgd4Q7k45n pic.twitter.com/AgkXpVr2KJ