COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
世間一般からみたマラソンのイメージの一つに、「辛く苦しい競技である」というものがあるのではないでしょうか?
例えば学生時代のマラソン大会の記憶を辿ると、実際苦しくてつらい思い出しかない・・・という方も少なくありません。
長距離を走るスポーツは、走り始めは楽でも徐々に苦しくなってきて最終的にとてもつらく、気合と根性で乗り切るもの!などと思われがちです。
しかし、”ランナーズハイ”という言葉があるように、実は走っている途中で体が楽になってくる感覚を持てる方も多い競技でもあるのですが
走り始めの初心者の方にはそれを味わうことは難しいため、「マラソンは苦しいスポーツである」いうイメージがなかなか抜けないのも事実です。
今回は「デッドゾーン」、「セカンドウィンド」と呼ばれているマラソンの苦しい部分、楽になってくる部分について説明します。
マラソンやランニングを日々行っている方の中には、スタートしてまもなく呼吸が苦しくなってきて、足も重たくなってくる現象に経験があるのではないでしょうか?・・・そこから脇腹が痛くなったことがある方もいるでしょう。この症状の原因として考えられるのは、体を急激に動かした事による酸素不足に陥っていることがあげられます。長距離を走る際には、スタートしてから体が慣れてくるまでにはそれなりの時間がかかるものです。
スタートし、体が慣れてきて、所謂”ランナーズハイ”の状態になるまで続く苦しい状態のことを「デッドゾーン」や「デッドポイント」と呼びます。どのくらいの距離からデッドゾーンに入るかには、もちろん個人差はるのですが、早い人だと1kmも走らないうちに入る方もいるようです。ですが、この苦しい時を乗り越えれば逆に体が楽になってきて走っていること自体が気持ちよくなってくるのですが、いつこの状態になるのかというと個人差があるので人それぞれです。しかし、これを乗り越えれば一転、身体が楽になってきて走りやすくなってきますが、楽になってくるタイミングも個人差があります。
この「デッドゾーン」で苦しいからといってスピードやペースを落とすと、逆に苦しい状況がずっと続いてしまいます。また、長距離を走りきるためには持久力や体力も必要になってくるため、これが不足している方もなかなかデッドゾーンを抜け出すことが難しくなってきます。多くの方がこの経験しか持たず、マラソンは『苦しい!!』という固定概念が定着してしまっているのも事実です。
仮に、基礎体力がそれなりにある方が長距離マラソンを走るとき、苦しく辛いデッドゾーンでスピードやペースを落とすことなく走り続けるとします。
するとそのうち身体の様々な器官が苦しい状態に順応し始めます。苦しい状態を引き起こしている酸素不足も、酸素の摂取量が安定し始めるので解消していくのです。脇腹が痛くなっていた方も痛みが徐々に治まっていき、楽に走れる状態になります。この、身体が楽になってきて辛さを感じることなく走ることが出来る状態の事を「セカンドウィンド」と呼びます。良く耳にする言葉で例えるならば、”ランナーズハイ”の状態です。
セカンドウィンドの状態に入ると、走るペースを上げても疲れなくなります。むしろその感覚が楽しく、マラソンを大好きになる人がたくさんいるのも事実です。
ですがマラソン初心者の中には、慣れないペースで無理をして緊張状態のまま走り続け、レース後半にデッドゾーンが来る方もいます。日々鍛え、マラソンを走りきることが可能な基礎体力を備えていても、レース後半でデッドゾーンがきてしまうとラストスパートもできなくなり、セカンドウィンドに切り替える事が出来ないまま、気合と根性で完走してしまう人も中にはいます。
このように、セカンドウインドが来ない経験がある、スタートから結構長く走っているのになかなか楽にならない、呼吸が乱れ続けている。そんな経験がある方の多くは「オーバーペース」で走っている可能性が高いです。つらくないところまでペースダウンをし、酸素を体内に取り込むことを意識して呼吸を整えるようにしましょう。だんだん身体が状況に順応し始め、走っていても苦しくない「セカンドウインド」に似たような状態になります。
「あと25kmだ」と思うと心が折れてリタイアすら頭をよぎりますが、「あと3km!」と、残りの距離がわずかであれば、疲れていても頑張れるでしょう。
その反面、ベテランランナーの方、特にプロのアスリートの方々は、レース前半にデッドゾーンが来て自分でペース配分を調整して、ペースを落とすことなく走る事でセカンドウィンドを迎え、走りながらでも体力を回復させることができる人もいます。レース中に体力の回復を同時に行うことで、レース終盤のラストスパートのコントロールもできるようになるのです。
デッドゾーン、セカンドウィンドを早く迎えるためのトレーニングをする際は、両方を自分なりに意識しながら行うようにしましょう。
自分がどのくらいでデッドゾーンに入り、その後どのくらいでセカンドウィンドが来るのかを把握できるようになります。
トレーニングの時からセカンドウィンドを体感する事で、走る事が楽しくなり、やがてセカンドウィンドを迎えることがやみつきになってしまいます。誰しも必ずデッドゾーンは来るもので、苦しくなっても「この先にセカンドウィンドがある」と思うとそれがバネになり、自分自身でペースをコントロールしながら走ることが出来るようになっていきます。デッドゾーンで身体がつらくなってきても、その先があると思うことで、精神的にも身体的にも楽に走ることができるようになります。
デッドゾーンを早く終えるために必要なことの一つは、走る前の入念なウォーミングアップです。スタート直前までにしっかりとウォーミングアップを行い、体を十分に温めておきましょう。また、デッドゾーンの原因となる酸素不足には、身体の循環器、呼吸器の対応が追い付かないことから陥ってしまいます。走る前にウォーミングアップをしっかりと行うことで、スタート前から激しい運動に身体が順応し始め、レースが始まった時に運動をするのに適した状態に入っているので、デッドゾーンの苦しみが軽減される傾向にあります。できればスタート前に、息が切れるくらい体を動かしたり走りこみをして、心臓や肺に負担をかけておきましょう。早めにデッドゾーンを迎え、さほど苦しくならず終えることが出来るのです。
走るのが楽しくなってくるセカンドウィンドを迎えるためには、過程として不可欠である、とも言えるデッドゾーン。しかし、可能であるならば迎えたくない……という方へ、実はデッドゾーンに入りにくくなる方法があったりもします。上級者の方は耳にすることもあるかもしれませんが、「イーブンペース」といわれるものです。これは走る速度を一定に保って走ることで、結果酸素不足を抑える事ができるようになる方法です。とはいえ、仮にイーブンペースで走っていたとしても、もちろん確実に体力は不足してくるので、デッドゾーンが絶対に来ないとは言い切れません。
今回は、デットゾーンとセカンドウィンドについてご紹介しました。
一度は苦しくなっても、長距離走においてセカンドウィンドが存在することを前提にしておけば、体は疲れても精神的には楽に走れるはずです。ですが、基礎体力が不足していると、必ずしもセカンドウィンドに到達できるとは限りらないので、日々のトレーニングを怠ることはできません。
ですが、トレーニングも含めて何度もセカンドウィンドを体感すると、体が軽くなってペースを上げても疲れない感覚が楽しみになり、長距離走の大きな愉しみへと繋がっていくでしょう。
マラソンやランニングに日々取り組んでいる皆さんへ、ヤミツキになるほどのセカンドウィンドを味わって頂けますように。
こんにちは(^^)
— UP RUN実行委員会 (@UP_RUN_tw) November 18, 2024
今日は運動したくなる程冷えますね...
お風邪にお気をつけください
さて今週のアップランマラソン大会は
23日
第196回UP RUN皇居マラソン
第73回ポーツメイトラン赤羽荒川ハーフマラソン
24日
2024渡良瀬遊水地オータムマラソン
まだまだお申込み可能☆https://t.co/Vgd4Q7k45n pic.twitter.com/clK6XDfA9R