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    マラソン豆知識

    マラソンの理想的なペース配分は?フルマラソンとハーフマラソン別ペース解剖!!

    マラソンの理想的なペース配分は?フルマラソンとハーフマラソン別ペース解剖!!

    はじめに

    日々のランニングが嵩じてマラソン大会に出場しようとする方は近年とても増加傾向にありますが、もともと陸上部だった、専門のコーチに教えてもらった経験がある・・・などではない限り、大会に向けての練習方法、大会での長い距離を走りぬくためにはどのようなペース配分で走るのが良いのか、わからない方も多いと思います。
    ハーフマラソンとフルマラソンの違いはもちろん大きいです。ペース、補給などをそれなりに考えなければなりません。

    初めて大会に参加するという方はフルマラソンからではなく、5~10kmやハーフマラソンから始める方のほうが多いかと思います。
    では、フルマラソン、ハーフマラソンでは、どのくらいのペース配分で走れば良いのか?もしくは記録が出やすいのか?

    今回は、フルマラソンとハーフマラソンに着目し、それぞれのペース配分について紹介していきます。

    フルマラソンは燃費良く一定のペースで走ることが大切

    42.195kmもの長い距離を走るためには基本的に一定のペースで走り続けることが大切です。

    ランナーを車に例えるとすると、いかに燃費良く最後まで走り続けられるか?が重要になります。
    車は急なスピードアップでアクセルを踏み過ぎたり、急ブレーキでブレーキを無駄に踏んだりすると、その分だけ、ガソリンを多く消費してしまいます。反対に高速道路にて高速走行時には一定のスピードが保たれるため、ガソリンの消費は前述に比べて少なくなります。

    車と同様に、マラソンも燃費良く走ることが大切です。

    走りはじめは体力が有り余っているのでペースが上がり、中間地点でペースが落ち、最終に近づくにつれ気合でペースアップをするなど、ペースのアップダウンが多くなればなるほど体力を多く早く消耗していきます。このような走りは燃費の悪い走りと言えます。早期にガス欠を起こし、42.195kmを最後まで走り切ることが出来なくなり、後半に大幅なペースダウンを起こすことになってしまいます。
    このような事を防ぐためにも、マラソンはペースのアップダウンが無い一定のペースで走ることが重要になります。一定のペースで走ることで、無駄な体力を消耗せず最後まで走り切ることが出来るのです。

    フルマラソンを最後まで一定のペースで走ることは難しいのか?

    上記でお伝えしたとおり、フルマラソンは出来るだけペースのアップダウンがなく、初めから最後まで一定のペースで燃料を無駄使いしない走りをする事が大切です。ただ、フルマラソンの『42.195km』もの途方もなく長い距離を最後まで車のようにキッチリ一定のペースで走り切るというのは、正直に難しいことでもあると思います。
    大きな大会や、参加者数が多いマラソン大会のスタートでは、多くのランナーが密集しています。そのため、始めから自分の本来のペースで走り出すことがなかなか出来ません。
    また、どの大会も同じ場所で毎回開催されるとは限りません。マラソンコースにはそれぞれの大会特有の上り坂や下り坂もあります。通常のランナーの場合長い時間を走り続けなければならないため、マラソン途中では給水所やエイドも利用することになります。
    そういった観点から見ても、最初から最後まで一定のペースでキッチリと走ることは難しいのが現実だと言えるでしょう。マラソン大会では必ずといっていいほどペースのアップダウンがあります。前半の余裕はあるものの、後半は疲労が脚に出てくるため、ペースは落ちてしまうものなのです。

    マラソンのペース配分の種類は?基本中の3通をご紹介

    実際に大会に向けて自分にあったペース配分を設定していく際、数多くの大会に出場経験がある先輩ランナー達はどのようにペース配分を設定しているのでしょうか?

    次は、ペース配分の基本となるものをご紹介してきます。

    1、イーブンペース

    マラソンを走る際のペース配分は3通りあります。その一つが、最初から最後まで一定のペースで走り続けるというものです。

    4時間で走る場合は5分40秒/kmで最初から最後まで走り続けるという走り方です。
    イーブンペースはペースのアップダウンがないため、理想的な走り方と言えます。ただ、実際には42.195kmもの長い距離を最初から最後までキッチリ同じペースで走り続けることは難しいため、イーブンペースで走るというのはなかなか大変です。

    2、前半に貯金を作る

    体力面でも精神面でも余裕がある前半に飛ばし、前半でできるだけ多くの貯金を作るという走り方を、ポジティブスピリットと言います。この走り方は、4時間切りの場合、前半は5分40秒/kmよりも早い5分20~30秒ほどで走り、前半に作った貯金で、なんとか後半を粘って目標タイム切りを狙うという走り方です。

    市民ランナーでは、割とこの走り方をしている人が多いようです。ただ、42.195kmもの長い距離を走るフルマラソンでは後半に予想以上に脚に疲労が来ます。そのため前半に目標ペースより早く走ると、後半に大きなペースダウンが起こる可能性もあります。すなわち、後半に疲労がどっと出てくる=つらいレースになりがちです。

    3、後半にペースを上げる

    前半はゆとりをもってゆっくり走り、後半にペースを上げる走り方のことをネガティブスピリットと言います。フルマラソンでは、この後半にペースを上げる走り方の方が良いタイムが出やすいと言われています。

    例えば、前半は目標ペースより10秒遅く入り、中間あたりは目標ペースで、後半に目標ペースより10秒早くにペースを上がるといったものです。
    前半にゆっくり走り体力を温存しておくことで、本来脚が動かなくなってくる後半も割と楽に走ることが出来るため、記録が出やすいのです。また、前半に飛ばし後半にバテるよりも、後半にペースを上げる方が最後まで気持ちよく楽しく走れるという傾向もあります。

    初めてのフルマラソンでしたら前半はゆっくりスタートし、後半にペースアップする走り方がおすすめです。マラソンのペース配分は人それぞれで、最初から最後まで一定のペースで走る方が合っている人もいれば、前半に飛ばし貯金を作っておく方が良いタイムが出やすい人、後半にビルドアップでペースを上げていく方が合っている人もいます。フルマラソンの走り方は個人差が大きく関係してくるものなので、自分にあったペース配分の設定が重要になってきます。

    初心者は知っておくべき!ハーフマラソンのペース配分

    ハーフマラソンとフルマラソンはあまりに違うため、ハーフマラソンを走るときとフルマラソンを走るときでは、準備や心構え、ペース、補給などを考える際にも違いがでます。しかし、初めてハーフマラソンを走るという場合には、フルマラソンよりも、あれこれと特別に対策をたてることは少ないようです。
    しかし、ハーフマラソンとはいえどなめてかかると恐らく完走は難しくなります。ペース配分をしっかり考え望みましょう。

    ハーフマラソン初経験の場合のペース設定

    ハーフマラソンのペース設定に関しては、これまで10kmや5kmなどの大会などに参加したことがある方も基本が大きく異なります。例えば5kmのマラソン経験者が、初めて10kmの距離を走るときは、感覚的にやや遅い、足に入る力をやや減らすといった少し抑えるくらいで、ちょうど良いペースが作れる方が多いでしょう。スタート時における走り出しが速すぎても、そのまま頑張ってしまうというレース展開の方が多いと思います。
    しかし、上記のようなハーフを走り慣れていない場合は適切なペースを作れないことがあります。走り始めの2~3kmまでの疾走区間はペースづくりの区間、最後の2~3kmを気合で頑張る区間、その間を一定のペースで走る巡航区間とすれば、ハーフは巡航区間が長いので、そこをよいペースで走ることが完走につながります。つまり、体力を温存させるため走り始めの疾走区間が大事になるということになります。
    体力が有り余っているからといって、速すぎるスタートではダメなのです。速いペースで走り出すと、適当なペースに落とすのが難しくなります。
    もちろん落としすぎてはいけないのですが、そのまま行くと後半で体力がなくなるのは目に見えています。スタートをしてから早めに巡航速度まで落とすことを気にかけ、レース中間を乗り越える事が重要になります。

    ペース配分の基本はイーブンペース

    上記ではペース配分の区間を簡単に分けましたが、やはり基本となるのは速度が一定なイーブンペース。理想のペースと言えます。走り出しは体力があり疾走気分で飛び出しがちですが、なるべく抑えイーブンペースに近いペースで走り、中間、後半に体力を温存します。最後の最後は、体力も無くなり疲れていますが気合で頑張りましょう!

    大会中間地点で自己チェック

    フルマラソンでもハーフマラソンでも重要なのですが、中間地点で自分自身で自分の疲労度をチェックします。

    筋肉疲労がどこに出てきているか、呼吸が荒くないか、空腹感や脱水感はどうか、体が熱っぽくないかといった点です。

    チェック後、普段の練習と変わりなく問題がなければ、まだ体力の余裕があるということです。その場合、中間地点通過後の後半は気持ちを切り換え、追い上げるつもりで徐々にペースアップをしてみる。

    ・・・チェック後「いつもと違うな」と違和感があった時は、解決できる問題点が明確な場合、問題解決するように努める。
    例えば、呼吸が荒ければ大きく呼吸するようにします。腕振りに疲れたら腕の位置を下げる、足に疲労が来たなら走法を変えてみる、水分補給や給食を取ってみるなどです。
    さらに、残り3kmぐらいになったら、最後の気合で走りぬく頑張りどころなので、腕振りをきちっとすること、呼吸をしっかりとすること、体を起こすことなど。
    どこからどのような弱点があらわれたのかをしっかり考えながら走ることがとても重要になってきます。

    まとめ

    初めてフルマラソンを走るという方には、前半は抑え、後半にペースアップする「後半型の走り」をおすすめします。その方が、初めてのフルマラソンを最初から最後まで楽しむことが出来、気持ちよくゴールすることが出来るでしょう。

    ペース配分の組み立てを間違え、苦しみながらのマラソンになってしまうと「楽しかった」と思うのは難しいものです。しかし、後半にペースを上げ、例えば前のランナーをごぼう抜きしながら走ることが出来れば、楽しいマラソンだったと思えるかもしれません。
    初めてのフルマラソンでは、ゴールの瞬間まで気持ちよく走ることが出来るようにするためにも、前半はゆっくり入り、後半に体力を温存しておく走り方をおすすめします。また、その走り方の方が、良いタイムも出やすいです。初心者の場合は、なかなか苦しい走りのなか、後半に粘るというのも難しいので、後半にしっかり余力を残す走り方をしましょう。

    初めてハーフマラソンに参加するという方は簡単に言えばフルマラソンのミニ体験といったようなものです。フルマラソンになるとハーフでは考えもつかないようなアクシデントが起きたりするのですが、初めてハーフマラソンを走るという場合には、それなりにしっかりとトレーニングをしているランナーであればフルマラソンに対するように、あれこれと特別に対策をたてるということは少ないようです。
    しかし、ハーフマラソンはフルマラソンを走るためのステップとしても良い経験ができるので、いろいろな面で意識的に臨みましょう。

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