COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
この記事を読んでいただいている皆さんが、日々大会へ向けてトレーニングを重ねていらっしゃるマラソンですが、長距離走の一形態です。マラソン大会は、世界中で人気のあるスポーツイベントです。
そんなランナーの皆さんは、トレーニングや準備を通じて最高のパフォーマンスを発揮しようと日々精進なさっていることと思います。
気象条件は、その結果に大きな影響を与えることがあります。その中でも、気圧は特に重要な要素となります。今回はそんな、パフォーマンスに影響がでてしまう気圧とマラソンの関係性について詳しく探ってみたいと思います。
気圧の変化が激しい時期のマラソンやランニングにおいてぜひ参考にしてみてください。
まず、さまざまな要素がマラソンランナーに影響を及ぼします。以下に主な要素をいくつか挙げてみます。
1 身体的要素:体力と持久力
マラソンは長距離のランニングであり、体力と持久力はランナーのパフォーマンスに大きな影響を与えます。適切なトレーニングや体力の向上が重要です。
マラソンは筋力と柔軟性が非常に大切で、ランナーは効果的な走行フォームを維持するために、バランスの取れた筋力と柔軟性が求められます。適切なストレッチや強化トレーニングが必要です。
2 心理的要素:モチベーションと集中力
マラソンは過酷な競技であり、モチベーションと集中力はレース中に重要です。ランナーは目標や意欲を持ち、集中力を維持するための戦略を開発する必要があります。
マラソンは体力的な負荷だけでなく、精神的な負荷も伴います。ランナーはストレスを管理し、困難に立ち向かうための精神的な強さを養う必要があります。
3 環境的要素:気候条件
気温、湿度、風速などの気候条件はランナーに影響を与えます。高温や高湿度の環境では、熱中症や脱水症状のリスクが高まります。適切な服装や水分補給の戦略が重要です。
気圧の変化や標高の高低もランナーに影響を与えます。高地では酸素供給が制限されるため、酸素運搬能力の向上や高地トレーニングが必要です。
4 地形とコース
マラソンのコースは平坦なものから起伏のあるものまでさまざまです。地形やコースの特性によって、ランナーのペースや戦略が変わる場合があります。
5 栄養と水分補給:適切な栄養摂取
マラソン前後の栄養摂取はランナーのエネルギー補給や回復に大きな影響を与えます。バランスの取れた食事や適切なタイミングでの摂取が重要です。
ランナーは長時間の運動中に水分を失いますので、適切な水分補給が必要です。水分補給戦略や電解質の補給に注意する必要があります。
上記でご紹介した今回の本題でもある【環境的要素:気候条件】にある、気圧についてご紹介します。
まず、「気圧」は大気の重さによって生じる力のことであり、一般的に海面上の気圧を標準大気圧として基準としています。
標準大気圧は1013.25ヘクトパスカル(hPa)とされており、この値より高い気圧を高気圧、低い気圧を低気圧と呼びます。気圧は海抜によっても変化し、標高が高くなるほど気圧は低下します。
マラソンと気圧の関係性についてですが、気圧の変化がマラソンランニングに与える影響は、いくつかの要素によって左右されます。
・ 酸素摂取量の影響
気圧の低下に伴い、酸素の分圧も低下します。高地などの標高の高い地域では、気圧が低くなるため酸素摂取量が減少し、ランナーの酸素供給が制約されます。これにより、マラソンランナーは呼吸困難を経験し、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
・気象条件の変化
気圧の変化には、天候や気象条件の変化も関連しています。低気圧が接近すると、風速が上昇したり、湿度が高まったりすることがあります。これらの気象条件の変化はランナーにとって不利な要素となり、体力の消耗や体温調節の困難さを引き起こす可能性があります。
気圧がマラソンランナーへ与える影響についてご紹介しましたが、マラソンランナーが気圧に対しての行うべき対策はどういったものがあるのでしょうか。
気圧の変化、それに伴うランナーへの影響は避けられないので、適応するための対策を取ることが重要です。
・ 高地トレーニング
標高の高い地域でのトレーニング(高地トレーニング)は、酸素供給力の向上を図る方法の一つです。高地でのトレーニングによって、体内の赤血球量が増加し、酸素運搬能力が向上します。これにより、低気圧下でも比較的高い酸素摂取量を維持できるようになります。
・気象条件への適応
気象条件の変化に対応するためには、ランナーはトレーニング中にさまざまな気象条件で走ることが重要です。風速や湿度の高い環境でのトレーニングによって、体がそれに適応し、パフォーマンスへの影響を最小限に抑えることができます。
・予報の確認
マラソンレースの前には、気圧や気象条件の予報を確認することが重要です。気圧の変化や天候の予測を知ることで、適切な装備をしたり、戦略を立てることができます。たとえば、低気圧や悪天候が予想される場合には、体力を温存するためにペースを調整するなどの対策が考えられます。
ここまでは気圧がランナーに影響を及ぼす要因や対策についてご紹介しました。
ランナーであれば、気圧のほかにどのくらいの気温がパフォーマンスを最大限に発揮できるのかを把握しておいてもいいかもしれません。
UP RUNのほかの記事でもご紹介しているのですが、その記事抜粋をすると学術論文では、たとえば「フルマラソンの記録の目安が3時間30分の男性」では「6.02℃」といった内容で紹介をされています。総合的に見た場合は、「概ね6~8℃が最適」ということになるようです。
結構低めですが、調査した大会の出場者の多くが欧米人であることも考慮する必要があるかもしれません。
では、マラソン大会に向けての日々のトレーニングに最適な気温って実際どのくらいなのだろう・・・というと、個人の感覚でそれぞれ異なるところもありますが、15℃とも、10℃以下とも言われています。
これくらいの気温だと、走るときに発生する熱を空気が冷却してくれるので、体の外に放散させやすいといえるでしょう。
ということは気温からみたら、春、秋はマラソン大会に向けての日々のランニングにおいては比較的体は適合しやすく、トレーニングの段階からタイムも高記録がでるかも知れません。氷点下になる真冬も、気温が高い時間帯を考慮すれば、比較的走りやすい気温の中トレーニングに望めることでしょう。
気温にまつわる下記記事もぜひ読んでみてください。
☞マラソン大会に向けて! トレーニングに向いている気温の関係性!
今回は気圧がマラソンランナーに及ぼす影響をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
気圧は、酸素供給量や気象条件の変化などを通じてマラソンに影響を及ぼします。
ランナーは気圧の変化に適応するために高地トレーニングや気象条件への適応を取り入れることが重要です。さらに、レース前には気圧や天候の予報を確認し、適切な対策を講じることも必要です。これらの取り組みによって、ランナーは最高のパフォーマンスを発揮できるでしょう。
こんにちは(^^)
— UP RUN実行委員会 (@UP_RUN_tw) November 11, 2024
週末はいかがお過ごしでしょうか?
さて今週末のアップランマラソン大会は
16日
第62回UPRUN府中多摩川風の道マラソン
第68回スポーツメイトラン東大島小松川公園ハーフマラソン
17日
第2回UPRUN豊洲ハーフマラソン
第162回スポーツメイトラン皇居マラソン
前日までお申込み可能です☆ pic.twitter.com/qXJmPFZ9Cc