COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
夏場のマラソンやランニングでは、熱中症に注意して走るというのはランナーの皆さんであれば当然ご存じかと思いますが、意外と知られていないのが夏場の熱中症と同じくらい気を付けなければいけない冬場の「低体温症」です。
この低体温症とは、熱中症のように最悪の場合命を落としかねない危険な症状です。
マラソン中継でプロのトップランナーがこれを理由に失速したり、途中棄権をするケースもある、ランナーには誰しも起こりうる身近な症状なのです。
一般のランナーが参加するマラソン大会でも、この低体温症を理由にリタイアする人も珍しくはありません。
今回は、そんなランナー誰しもに起こりえる「低体温症」について、ご紹介していきます。
しっかりと基礎知識を持っていれば防げるものではあるので、ランナーであればしっかりと覚えておくようにしましょう。
低体温症という言葉は誰しも聞いたことがある方も多いかと思います。では実際に、どんな症状の事を言うのでしょうか?
低体温症とは、体の体温が35度以下になってしまうことを言いますが、平熱が低い人の場合このくらいの体温も少なくはありません。
ですが、体の表面温度ではなく、体内の温度が35度を下回ってしまうことの事をいいます。
直腸温度で例えた場合、35度以下になってしまうとすでに低体温症と判断されます。
35度を下回った場合、人間の身体は身体を震えさせることで熱を発生させようとします。
よく、寒い日に身体が震えることを誰しも体験したことがあると思いますがこの場合、軽度の低体温症になっているので脳が身体を震えさせて熱を発生させようとしている状態になります。
また、30度を下回った場合不整脈を起こすようになり、体全体に血液を送れない状態に陥るため、非常に危険な状態になります。
この状態になってしまうと呼吸機能も低下し始める為、体内は酸素不足の状態になってしまいます。
簡単に低体温症を判断する症状を簡単に上げると
・体が震える
・体がうまく動かせない
・話しかけられても反応できない
・頭がぼーっとしている
・適切な判断ができなくなっている
このような症状になっているときは低体温症が疑われるのですが、自身の周りの人や、自分でもわかりづらい可能性があります。
「ちょっと体調が悪いな」と思っていたら、すでに低体温症になっていて、最悪の場合昏睡状態に陥ってしまうこともあるのです。
体の変化には十分に気を配りましょう。少しでも変化を感じた場合には、無理をすることなく周りに助けを求める事をお勧めします。
低体温症は、体の温度が急激に下がってしまうことで引き起こされるものなので、「走っている場合体温は上がるはずなのに・・・?」と思う方も多いのではないでしょうか。
確かに、通常の場合普通のランナーが低体温症になるのは考えにくいのは事実です。特に健康管理の目的でランニングをしていて、さほど汗をかかない走り方をしている場合はほとんどこの症状には陥りません。
そんな中でランナーが低体温症に陥ってしまうとすると、下記のようなケースになります。
・長い距離、時間を走り大量の汗をかいた
・雨が降っていて身体が濡れている
・気温が低い中薄手のウェアを着ている
・気温が非常に低い
簡単に挙げるとこれらが重なった際に低体温症のリスクが高まるのですが、走っている場合体温は上がるのは当然です。
ですが、自身の発熱に対して、気温や汗が原因で外から体を冷やすスピードが速いと、低体温症になるリスクが高まります。
ベテランのランナーの方は特にですが、薄手のウェアで走る傾向にあるかと思います。
その状態で長距離を走り汗をかくと、かいた汗が直接冷たい風にあたってしまい急激に体温が奪われるので、トップランナーこそ低体温症に陥る可能性が高いとも言えます。
マラソン中継でゴールした後すぐにベンチコートなどを着せるのを見ますが、これは低体温症を防ぐ理由から行っているのです。
だからといってトップランナーだけ低体温症になるのかと思ってはいけません。
トップランナーこそなるリスクが高いだけで、同じ条件になれば市民ランナーの方ももちろん低体温症になるリスクが高まります。
例えば、マラソン大会当日が雨で風が吹いている場合、スタートを待機していることが非常に危険です。ウェアを着込んでいる場合はいいのですが、これから走るためにと薄手のウェアで待機している方も多いかと思います。
その場合、人間の体は自身の体を守るため、体の末端を収縮させて血液を送れなくし、内臓などに血液を多く送っています。
この状態のままスタートしてしまうと、先ほどまで収縮していた手足の末端が解放され、急激に体全体に血液が流れるようになっていきます。
そうなると、内臓に流れる必要がある血液が今度は少なくなってしまうため、スタート直後に気持ち悪くなってしまい急激に寒さを感じてしまうことがあり、途中棄権の可能性も出てきてしまうのです。
このように低体温症はトップランナーだけで起こるものではなく、冬場の寒い中マラソン大会に出場する、もしくは長距離のランニングを行う方にも起こりえる事なのです。
では実際に低体温症から自身の身を守るためにはどうしたらいいのか?
簡単なことで防げるものになるので、予防策をご紹介していきます。
まず、先ほどもお伝えしましたが、マラソン大会に出場する場合、冬場の寒い時はスタート直前まで肌を露出しないようにしましょう。
スタートまでの大気中に極力体温を奪われないようにベンチコートや肌を覆うものを着てスタートまでのアップをするようにします。
また、寒い日に忘れがちなのは水分補給です。
走っている最中に脱水症状になってしまった場合、低体温症のリスクも高まると言われています。夏場以外の冬でも大気が乾燥しているので自身が想定しているより水分が抜けていきます。しっかりと水分補給をすることが重要になります。
寒い日のマラソン大会やランニングにおいては、インナーウェアを着るのもおすすめです。
肌をできるだけ乾いた状態に保つことが、体温低下を防ぐことにつながります。汗を吸い込む生地のインナーウェアがおすすめですが、雨の日などは逆に撥水性があるものを着るようにし、できるだけ身体をぬらさないようにしましょう。
低体温症を防ぐためには、身体をぬらさない、汗をかいても冷たい外気で急激に体温を奪われないようにする。これらが重要なことを覚えておいてください。
今回は、冬場にマラソン大会、ランニングを行うランナーの皆さんに覚えてほしい、低体温症についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
ベテランランナーの方には特に起こりうる可能性が高いですが、一般の市民ランナーの方も条件が重なれば発症リスクもある事を忘れないようにしましょう。
この、低体温症ですが簡単なことで防げるものでもあります。
長距離を走ることで必ずたくさんの汗をかいてしまうのは防げません。その汗の処理をどうするのか、また、身体を冷やさないためにどうするのかをしっかりと考えて行動や予防をすれば、リスクは回避できるものです。
一番怖いのは、「自分は大丈夫」と思ってしまうこと。
誰しもに起こりえることだ、というのを忘れないように、しっかり予防することで回避できるのです。寒い日に走ることはある人は必ず覚えておくようにしましょう。
こんにちは
— UP RUN実行委員会 (@UP_RUN_tw) December 16, 2024
今日は良いことがあり嬉しい一日のスタート☆
さて今週のアップランマラソン大会は
21日
第63回UPRUN府中多摩川風の道マラソン
第55回スポーツメイトラン松戸江戸川河川敷マラソン
22日
第20回UP RUN東大島小松川公園マラソン~長距離特別ver~
第164回スポーツメイトラン皇居マラソン pic.twitter.com/ya9AfzFJMJ