COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
日々マラソン大会に向けてトレーニングを行っているランナーの皆さんの中には、マラソン大会が迫ってくるとトレーニング量を増やしたり、当日に向けて調整をするランナーもいらっしゃるかと思いますが、マラソン大会が迫ってくると、「あと3週間、どう過ごせばいいんだろう?」と不安に思うランナーも多いはずです。
ここからの過ごし方次第で、大会当日のコンディションやパフォーマンスは大きく変わります。
今回は、マラソン大会3週間前からの過ごし方にフォーカスして、「やっていいこと」と「やってはいけないこと」を中心にご紹介します。
初心者から中級者、さらには自己ベストを狙う上級者にも役立つ実践的な内容となっていますので是非参考にしてみてください。
今回はマラソン大会の『3週間前』という期間に絞ってのご紹介となりますが、なぜ3週間前からの調整が大事なのか?それはマラソン大会は、単なる「長距離ラン」ではないからです。
フルマラソン42.195kmという距離は、体力・筋力・持久力はもちろん、栄養状態やメンタル、さらには日々の生活リズムまで影響を及ぼす、総合的なスポーツです。
そのため、単に走る練習を続けるだけではなく、「3週間前」からは意識的に調整を始める必要があります。3週間前から調整する事の目的、メリット、デメリットをご紹介します。
■3週間前調整の主な目的
・疲労を取り除き、ベストな状態で大会を迎えるため
・体調や体内のエネルギー環境を整えるため
・当日の装備や補給方法をシミュレーションするため
・無理なトレーニングでケガや故障を防ぐため
「大会前こそ追い込みどき」と思いがちですが、実は3週間前からは「整える」「削る」「最適化する」段階なのです。
■調整を行うメリット
・疲労を抜き、回復を促進できる
・本番当日に最高のコンディションを作る
・ペースや補給のシミュレーションができレース中のトラブルを防げる
・メンタルも安定することで無駄な不安を減らし、集中力を高められる
・生活習慣を整えやすく睡眠・栄養・リズムが整い、免疫力もアップ
■調整しないことのデメリット
・疲れが残ったままレース当日を迎えてしまう
・ケガや不調のリスクが高まる
・当日に使うシューズや補給の違和感に気づけない
・不安や焦りでメンタルが不安定になる
ここまでは3週間前から調整する目的と、メリットと調整しなかった場合のデメリットを中心にご紹介しましたが、次に3週間目から当日までのやっていいこと、悪い事をご紹介していきます。
■やっていいこと①:ピーク前の最後のロング走
この時期は本番前の最後のロング走を行うベストタイミングです。30km走などを取り入れ
て、本番と近い条件で身体とメンタルの最終確認をしましょう。
・ポイント
本番のペースを意識したペース走が効果的
シューズやウェアも当日使用予定のものを試す
翌日の疲労具合も確認しよう
■やっていいこと②:食事内容の最適化
高強度トレーニングを行うこの時期は、炭水化物、たんぱく質、ビタミン・ミネラルをバランス良く摂ることが大切です。
・おすすめ食品
主食:玄米、全粒粉パン、オートミール
主菜:鶏むね肉、鮭、納豆、豆腐
副菜:ブロッコリー、にんじん、海藻類
■やってはいけないこと①:無理な追い込み練習
「最後にもうひと頑張り」と思い、過度なスピード練習や坂道ダッシュなどを詰め込みす
ぎると、疲労が抜けずに本番を迎えることになります。
・避けるべき例
1日に複数回の高強度トレーニング
トレランやインターバルのやりすぎ
筋トレの急増
■やってはいけないこと②:夜更かし・睡眠不足
この時期は「体調管理の入り口」です。睡眠は最良のリカバリーです。スマホやテレビで
寝る時間が遅れるのはNG。
■やっていいこと①:練習量の徐々な減量(テーパリング)
「テーパリング」は、練習量を落としつつ、調子を整えるための期間です。走る頻度は維
持しつつ、距離や強度を減らしていきましょう。
・具体的には
走行距離は通常の70〜80% → 50〜60%へと落とす
週に1回は刺激を入れる短いペース走(5〜10km)
■やっていいこと②:ストレッチ・ケアの強化
疲れを溜めないために、入浴・ストレッチ・マッサージ・アイシングなどのボディケアを意識的に行いましょう。
・おすすめ
湯船に10分以上浸かる
フォームローラーやストレッチポールで筋膜リリース
セルフマッサージでふくらはぎや太ももを重点的に
■やってはいけないこと①:急な新しいことへのチャレンジ
例えば、靴を新調したり、フォームを大きく変えたり、食事法を劇的に変えるのはこの時期にはおすすめできません。
・リスク例
初めての補給ジェルを試す(胃腸トラブルの可能性)
新品の靴で30km走(靴擦れリスク)
■やっていいこと①:カーボローディングの実施
「カーボローディング」とは、炭水化物中心の食事をして体内のグリコーゲン量を増やす方法です。レース3日前くらいから意識すると良いでしょう。
・おすすめ食品
うどん・白米・パスタ・バナナ・もち
・注意点
食べすぎは禁物。体重が増えて逆効果になることも
胃腸に優しい消化の良い食事を心がける
カーボローディングについては別記事でも詳しくご紹介していますのでこちらも是非参考にしてみてください。
『マラソン大会に向けて食生活を考える!カーボローディングとは?』
https://up-run.jp/columns/column51/
■やっていいこと②:大会準備チェックリストの確認
忘れ物を防ぐため、持ち物リストを事前に作っておきましょう。
例:ゼッケン、ウェア、シューズ、補給食、スマホ、雨具、着替え、健康保険証、現金、タオルなど
■やってはいけないこと①:過度な緊張や不安
「寝なきゃ」と思うほど眠れなくなるのはよくある話です。前日は「寝なくても大丈夫」くらいの心構えで大丈夫かと思います。
・リラックス法
湯船でリラックス
大会のコース動画や音楽を見てイメージトレーニング
軽い読書や深呼吸で気持ちを落ち着ける
■やっていいこと①:軽めのジョグで身体を動かす
前日は15〜30分程度の軽いジョグ+流しを2〜3本入れると、当日の動きが良くなります。
当日朝も軽くストレッチ
会場周辺でウォーミングアップ(5〜10分のジョグ+動的ストレッチ) など
■やってはいけないこと①:朝食を抜く・食べすぎる
朝食は「量と質」が重要です。スタートの3時間前を目安に、消化の良い炭水化物中心の食事を取りましょう。
・NG例
牛乳・ヨーグルトなど、当日お腹が緩くなるリスクのある食品
脂っこいものや食べ慣れないもの
マラソン大会当日の食事ついては別記事でも詳しくご紹介していますのでこちらも是非参考にしてみてください。
『マラソン大会当日の食事はどうする?摂取しておいた方が良いエネルギー源とは?』
https://up-run.jp/columns/column88/
今回はマラソン大会3週間前からの準備、3週間目~当日までのやっていい事悪い事をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
マラソン大会3週間前は、これまで積み重ねてきた練習の仕上げと、当日に向けたコンディション調整の両方が求められる大切な時期です。走り込みのしすぎも、新しいことへの挑戦も、逆にパフォーマンスを下げるリスクがあります。
焦らず、自信を持って、そして何より楽しむ気持ちを大切に。最高の準備を整えて、本番に臨みましょう!
8月18日は、私たちの健康のための健康食育の日。8と18で「八十八=米」という漢字になることにちなんで決められました。
— UP RUN実行委員会 (@uprun_twx) August 18, 2025
今夏も暑い日々続きますが、お身体ご自愛くださいませ。
さて今週のアップランマラソン大会は
23日
第35回スポーツメイトラン二子新地多摩川ハーフマラソン pic.twitter.com/C9G1Qbysrr