COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
マラソン大会に出場される方は皆さん、「せっかく大会にでるのであれば、日々のトレーニングで積み重ねた力を100%出し切りたい」と思う方が大半でしょう。人によって自己ベストを更新したい、完走したいなど目標設定はさまざまだと思います。
その目標に向かってトレーニングをできたのか。
大会当日までに体のコンディションを整えられたのか。
しっかり睡眠がとれているのか。
……さまざまな要素が重なりあい、大会当日に自身の力を発揮できるのかを決定づけています。
その中でも必ず毎日欠かさず行う『食』も、とても大事な要素を持っています。
長い距離を走るマラソンに例えると、長時間身体を動かし続けることにより多くの血液が身体を動かす筋肉に吸収され、内臓の血流は普段と比べて少なくなっています。
そのためマラソンなどは筋肉のダメージももちろんありますが実は内臓も大きなダメージを受けています。
また、長い距離を走るマラソンの場合長時間の運動に耐えうるエネルギーを蓄えておかなければ、レース途中でエネルギー不足に陥りパフォーマンスの低下してしまうことが考えられます。
今回はマラソン大会に向けての食トレーニングともいえる『カーボローディング』というものをご紹介していきます。
ベテランランナーの方はこのカーボローディングについては聞いたことがある方も多いと思います。
ただ、このカーボローディングについては様々な見解や考え方もあるので一概に今回ご紹介する内容が正しいとは言い切れないのですが、現在カーボローディングを実施されている方、これから始めようと思っている方は参考にしていただければと思います。
名前は聞いた事はあるけど、そもそもカーボローディングってどのようなものなのか内容がいまいちわからないランナーの方も多いのではないでしょうか。
カーボローディングとは、別名「グリコーゲンローディング」とも言われています。主にマラソンなどの持久系スポーツに取り組む際、運動エネルギーの元になるグリコーゲンを多く摂取しておくことで、体内にグリコーゲンを蓄積し、マラソン大会本番に蓄積したエネルギーを多く使うことができるように事前に調整しておくトレーニングの一環となるものです。
マラソンをはじめ、持久力が試されるスポーツにおいては、長時間身体を動かすことでエネルギー源の糖質すなわちグリコーゲンがどんどん失われます。
例えば、空腹状態でマラソン大会に出場すれば必ず途中でエネルギー不足になり、パフォーマンスが低下するどころか完走すらままならなくなります。
レース中ももちろんエネルギー補給は必要になるくらいなのですが、事前にしっかりと糖質を多く摂取しておいて、蓄積できる量を調整し増やして置くことで、一般の方に比べ多く糖質を蓄積させる身体を作っておくことが目的です。
糖質以外に、たんぱく質や脂肪もエネルギー源として考えられるのですが、糖質が優先的にエネルギー源として使われることや、そもそも糖質がないと脂肪もエネルギー源として使うことができないなど、レース途中でもスポーツドリンクが好まれる理由としてはこのようなことも挙げられます。
糖質を事前に身体へ蓄積させる手法にはなるのですが、どうしても人間の体の構造上蓄えられる量には限界があります。例えば成人の身体で考えてみると、肝臓100g、筋肉250gの糖質しか蓄積できないと言われており、この少ない量を効率よく蓄積させることを考えて作られたのがカーボローディングになのです。
では、カーボローディングの具体的な方法とはいったい何があるのかをご紹介していきます。
様々な方法があるカーボローディングですが、一般的には、マラソン大会の一週間前から逆に運動量を減らしてグリコーゲンを使わないようにし、大会の3日前からいつもの食事より高糖質なものを摂取するようにすることでしっかりとグリコーゲンを蓄積させる方法が主に行われています。
もちろん個人差はありますが、この方法では筋肉の中にあるグリコーゲンの量は先ほどご紹介した基準を超えて3倍になり、肝臓のグリコーゲン量については2倍にもなるといわれています。
ただ、大会前にいつもより多めに炭水化物を摂取するのみでも多少のグリコーゲンは増えるとされているので、しっかりとカーボローディングを事前に調整できなかったとしても、当日やレースの途中でしっかりと糖質摂取するように心がけてみましょう。
ここまでカーボローディングとは糖質を多く摂取する食事法とご紹介してきましたが、実際に糖質を摂取する際には炭水化物を多くとればよい、と思っている方も多いのではないでしょうか?
もちろん、炭水化物には糖質も含まれますが食物繊維も多く含まれています。この食物繊維がランナーにとっては少し厄介なものになるのです。
食物繊維は、排便をスムーズにしてくれる栄養素の一つになりますが、摂取しすぎることで自ずと便が緩くなってしまいます。
カーボローディングを実施したら下痢になってしまったという方も少なくはありません。マラソン大会当日までに治ればいいですが、当日まで下痢が続いてしまうと走ることもままらなくなってしまいがちです。
特に大麦を使用した料理やオートミール、ライ麦のパンなどは糖質のほかに炭水化物の中でも食物繊維が非常に多く含まれます。炭水化物はたくさんの種類がありますが、その中でもスタンダードな白米には食物繊維が少ないので、事前のカーボローディング然り当日に摂取するものとして、おにぎりなどをレース前に食べておくのもよいでしょう。
そのほかの注意点として、カーボローディング中はできるだけ動物性脂肪を控える事をお勧めします。
動物性脂肪は常温で冷えて固まってしまい、消化するために多くの水分を必要とします。水分補給が必要なマラソンに関しては悪循環になってしまい、注意が必要です。バター、脂身が多い肉、ベーコンやウィンナー、チョコレートなどにも同様に動物性脂肪が含まれますので摂取には注意するようにしましょう。
また、このカーボローディングですが様々な見解があるもののマラソン大会当日にはとてもいい状態で高いパフォーマンスを発揮できるものになりますが、それまでに調整が必要になってきます。しっかり管理体制が取れない場合などは無理に行おうとせず、レース前におにぎりなどで糖質を摂取するだけでも少しは変わってくるものです。
普段の食生活にあまり気を使っていない状態で、レース前に急いで実践してもあまり意味がないものになってしまいます。普段からマラソンの事を意識した食生活を送りつつ、カーボローディングだということを前提において取り組むようにしましょう。
今回はカーボローディングについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
先ほどもお伝えしたように、直前にカーボローディングのみを実践したとしてもあまり意味がありません。
普段の食生活から持久力やマラソンを意識した食生活を考え、実践したうえでの大会に向けた最終的な調整の一つとしてカーボローディングがあります。
また、カーボローディングだけ実践したとしても当日の体調がよくなければ最大限のパフォーマンスは発揮できません。
食生活はとても重要なことですが、体調面も含め普段から身体の事を考えた生活を送る中で初めてカーボローディングに取り組める状態になることが出来ますので、普段から自身の身体を意識した生活のリズムを送るように心がけましょう。
そしてカーボローディングを実践しながらも、普段から食生活だけでなく、コンディション全体をベストな状態にしておきましょう。
こんにちは
— UP RUN実行委員会 (@UP_RUN_tw) December 16, 2024
今日は良いことがあり嬉しい一日のスタート☆
さて今週のアップランマラソン大会は
21日
第63回UPRUN府中多摩川風の道マラソン
第55回スポーツメイトラン松戸江戸川河川敷マラソン
22日
第20回UP RUN東大島小松川公園マラソン~長距離特別ver~
第164回スポーツメイトラン皇居マラソン pic.twitter.com/ya9AfzFJMJ