COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
マラソン大会に向けて日々ランニングに励んでいる方々が、こちらの記事をご覧になっているかと思います。
初心者の方やベテランランナーの中にも、自身の『走法』について考えた事や意識したことがある方は、そこまで多くないのではないでしょうか。
マラソン選手になると、トレーナーから走法、すなわち走り方のアドバイスがあり、何か選手に問題がある場合は走り方を矯正しなくてはならないくらい重要なことです。
特にフルマラソンの大会に出場している、これから参加したいと思っている方は意識すべき点と言えます。
以前に記事でもピッチ走法、スライド走法をご紹介したのですが、今回はそれに合わせて着地を意識した走法をご紹介していきます。
マラソン大会に出場する予定がある方、これから考えてる方は特に参考にしていただければと思います。
マラソンやランニングでパフォーマンスを向上させるためには、しっかりと自身のランニングフォームを理解し、そのうえで自身にあったフォームを落とし込むことが重要になります。
フォームとひとくくりに言っても、全身の動きになってくるためただ単に手だけを意識する、足だけを意識する、上半身だけを意識するだけでは自身にあった正しいフォームを落とし込むのは難しいです。
そのフォームの中でも着地についてはプロのランナーの方も意識して走っているものであり、ランナーによってはこの着地を意識した自分に合った走法を行うことによって、パフォーマンスが向上するくらい重要なものになります。
では実際にどのような走法があるのでしょうか?
代表的なものとしては3種類あり、フォアフット走法、ヒールストライク走法、ミッドフット走法というものに分けられます。各走法についてどのようなメリット、デメリットがあるのかご紹介していきます。
海外のランナーに多いフォアフット走法ですが、簡単に説明すると足のフォアフット(前足部)から着地する走り方のことです。子供の頃からの生活習慣などが影響してこの走法になっていると考えられています。
フォアフット走法は、マラソンなどの長距離を走るには最も適していると言われているのですが、日本人の場合、海外ランナーに比べると骨格や筋肉のつき方が異なるためマラソンに適しているとは言え自身の走法に置き換える事はハードルが高い可能性がります。
ケニア、エチオピアなど強豪国のマラソンランナーはフォアフット走法の選手ばかりです。では、このフォアフット走法のメリット&デメリットをご紹介します。
・メリット
衝撃を分散して、疲れにくい走り方になると言われています。
硬い地面の上を走るマラソン、ランニングは着地時に相当な衝撃がかかると言われています。足の疲労、負担の大半はこの相当な衝撃を足で吸収しているから引き起こされるものです。
フォアフット走法はつま先から着地して走ることで、地面への着地時にかかる衝撃をうまく分散して、足への負担を軽減してくれます。
また、つま先から着地することで必然的に足の腱を使った走り方になり、腱がスプリングの役割をおぎない筋肉の負担が少なく、マラソンの長距離でも疲れがたまりにくくなります。
つま先から着地することで、体が自然に前傾姿勢にもなるため自然と前へ進む動作を後押ししてくれます。
このことからも長距離ランナーにはフォアフット走法が友好的と言われている理由になります。
・デメリット
マラソンに適しているフォアフット走法ですが、始めにお伝えした通り、海外ランナーと比べ日本人は骨格や筋肉のつき方もかなり異なるため、日本人の体形では逆に負担が大きいともいわれています。
日本人の体形は、基本的に重心がかかと側にかかる事が一般的と言われているため、つま先から着地するフォアフット走法を習得する場合、かなりの身体改革が必要になってくるからです。
意識的につま先から着地することはできますが、自身の身体のベースが整っていないまま実施した場合、ふくらはぎやアキレス腱に大きな負担がかかってしまい、思わぬ故障や怪我につながりますので十分に注意しましょう。
ヒールストライク走法とは読んで字の如く、かかとから着地をする走法になります。
フォアフット走法の際に、日本人はかかとから着地をしやすい体系をしているとご紹介しましたが、まさに日本人の多くはヒールストライク走法で走っています。
ヒールストライク走法のメリット&デメリットをご紹介していきます。
・メリット
この、日本人特有のヒールストライク走法は、地面へ着地した後地面からの反発力を受けることができるので、前へ進む力を得て走ることができるのが特徴です。
特に初心者の方はまだふくらはぎの筋肉やアキレス腱が発達していないため、足への負担が他の走法と比べ少ないのでお勧めです。
また、日本で売られている多くのランニングシューズは、このヒールストライク走法に適したかかとから着地するのを想定した設計のものが多く売られています。
かかと部分に厚いクッションが入っているものが多く、クッションが衝撃を吸収し、前へ進む力をサポートしてくれます。
走法によってシューズを選ぶことも重要ですが、日本人の多くが取り入れやすいヒールストライク走法に適した物は豊富にあるので比較的選びやすいと思います。
・デメリット
このかかとから着地するヒールストライク走法ですが、かかとから着地する走り方は、必然的にブレーキをかけ、膝の関節への衝撃、負担がかかってしまいがちです。
他の走り方に比べ、かかとから着地してつま先で蹴りだすまでに時間がかかってしまうのでスピードが劣ってしまう面もデメリットと言えます。
また、かかとのクッションが入っているランニングシューズは多く売られていますが、逆にそのシューズの性能に頼りすぎて、クッションが厚い為体への負担は軽減されますが、筋力を鍛えるという面では効果は低い可能性があります。
最後にミッドフット走法のご紹介をしていきます。
つま先から着地するフォアフット走法、かかとから着地するヒールストライク走法とは違い、足裏全体で着地するのがミッドフット走法になります。
どちらからというとベテランランナー向けの走り方になります。
・メリット
足裏全体で着地することにより、蹴りだす時間の短縮になりスピードが上がる、また足裏全体で衝撃を吸収するため膝関節への衝撃、負担の軽減につながります。
また、体幹が安定するため体全体を使ったフォームになり、その為走っている際の上下運動が少なくなるので、エネルギーロス防止につながります。
プロのランナー、ベテランランナーの方で膝を故障、怪我した経験がある方はこのミッドフット走法に矯正する方もいるくらいです。
ベテランランナー向きの走法になりますが、初心者の方も初めから意識してこの走り方を習得することでエネルギーロスや怪我の少ない走り方をマスターできるのでまずは短い距離からこの走り方を実践してみるのもいいかもしれませんね。
・デメリット
身体への負担が少なく、エネルギーロスも少ないこの走法ですが、フォームの習得に時間がかかってしまう点がデメリットとして挙げられます。
日本人の身体の構造上どうしてもかかとから着地してしまう為、習得というより矯正に近い形となってしまうためです。
また、無理に矯正しようと思い始めからこの走法で長い距離を走ってしまうと、逆に体への負担が大きくなってしまう可能性もあるので、矯正トレーニングの際は注意が必要です。
今回はフォアフット走法、ヒールストライク走法、ミッドフット走法の3つの走り方についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
それぞれの走り方でメリット、デメリットがあるため、どんなものなのかをしっかり理解したうえで、自身には今何があっているのかをしっかり考えて実践してみるのもいいかもしれません。
走法を見つめなおすことでタイムが短縮できたり、長い距離が走れるようになったりすることが大いに期待できるので、是非参考にしてみてください!
こんにちは。
— UP RUN実行委員会 (@UP_RUN_tw) December 23, 2024
昨夜は空気が澄んでいて星が綺麗でした☆
さて、今週のアップランマラソン大会は
28日
第165回スポーツメイトラン皇居マラソン
29日
第71回UPRUN市川江戸川ハーフマラソン
30日
第32回スポーツメイトラン府中多摩川風の道マラソン
31日
第199回UP RUN皇居マラソン
全て年末特別Verです。 pic.twitter.com/smWjGid1Gb