COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
日々マラソン大会に向けてトレーニングに励んでいる方の中にはこれから初めてマラソン大会に出場されるランナーも多いと思います。
初めて参加されるランナー以外にも当日のウォーミングアップはレースに向けて体力を温存しながらどのよう事をしたらよいのか最適なウォーミングアップが分からない方も多いのではないでしょうか?
マラソン大会に向けて十分な練習を重ねたとしても、大会当日のウォーミングアップを軽視してしまっては、その努力が台無しになるかもしれません。ウォーミングアップは、身体と心をスタートラインに万全の状態で送り出すための「準備運動」であり、「レースの一部」といっても過言ではありません。
今回は、マラソン大会におけるウォーミングアップの重要性、具体的な方法、避けるべきNG行動、そして初心者からベテランまで活用できる実践的なウォーミングアッププランを解説します。
これからマラソン大会に初めて参加されるランナーの方も、まだ数回しか参加したことが無いランナーの方も是非参考にしてみてください。
今回はマラソン大会へ出場した際のウォーミングアップについて詳しくご紹介しますが、まずはじめにウォーミングアップの重要性についてご紹介していきます。
■身体的な準備
ウォーミングアップの主な目的は、筋肉や関節、心肺機能をレースに適した状態に持っていくことです。ウォーミングアップによって体温が上がり、筋肉が柔らかくなることで、ケガの予防に繋がります。
また、心拍数を少しずつ上げることで、急激な負荷変化に心臓が驚かずに済み、スタート直後の苦しさやオーバーペースのリスクを軽減できます。
■メンタル面での効果
ウォーミングアップには、心を整えるという意味もあります。大会会場は緊張感や高揚感に満ちており、知らず知らずのうちに心拍数やアドレナリンが上昇しています。ルーティンとしてのウォーミングアップをこなすことで、冷静さと集中力を保つ助けになります。
・大会当日の一般的なスケジュールとウォーミングアップの位置づけ
以下は、一般的なマラソン大会(スタート9:00)のスケジュールを例にしたものです。
6:00〜6:30 起床・朝食
7:00〜7:30 会場到着・受付・着替え
7:30〜8:00 ストレッチ・軽いジョグ開始
8:00〜8:30 ウォーミングアップ(後述のメニュー)
8:30〜8:50 トイレ・スタート地点へ移動
9:00 レーススタート!
このように、ウォーミングアップの時間はスタートの約1時間前から30分前が目安です。ただし、大会の規模や整列時間によって多少の前後があるため、自分がスタート位置に立つまでの時間から逆算して調整する必要があります。
ここまではウォーミングアップの重要性をご紹介しましたが、次に具体的な方法とメニューをご紹介します。
■全身を温める「軽いジョギング」(5〜10分)
レースペースよりずっと遅い速度で、軽く身体を動かします。ペースは「隣の人と会話できるくらい」が目安。これにより体温を上げ、関節の可動域が広がります。呼吸も整い、走るリズムを自然と体に思い出させてくれます。
■動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)
静的ストレッチではなく、動的ストレッチを取り入れましょう。以下は代表的な動的ストレッチです。
レッグスウィング(足振り):前後・左右に脚を振る
ヒールキック:かかとをお尻に当てるように足を蹴り上げる
スキップジャンプ:リズミカルにジャンプしながら全身を動かす
これらは筋肉を活性化し、関節の動きを滑らかにします。
■ウィンドスプリント(流し)
「流し」と呼ばれる100mほどの軽いダッシュ(60〜70%の力)を2〜3本行います。これにより、神経系が刺激され、レースペースへの切り替えがスムーズになります。
※ただし、フルマラソンなど長距離の場合は、やりすぎに注意。筋肉に乳酸がたまり、逆効果になることもあります。
■呼吸を整える・水分補給
ウォーミングアップ中や直後には、意識的に深呼吸をして呼吸を整えましょう。また、スタート直前の水分補給も重要です。水やスポーツドリンクを数口飲み、脱水のリスクを防ぎます。
マラソン大会は、その日の気候やスタート時間、個々の目標や体力レベルによって「最適なウォーミングアップ」が変わってきます。
次に、状況別に応じたウォーミングアップの工夫を解説します。
【寒い日の大会】冷えを防ぎ、じっくり身体を温める
冬場の大会や早朝スタートのレースでは、気温が5℃以下になることも珍しくありません。寒さは筋肉の柔軟性を著しく低下させ、ケガのリスクを高めるため、ウォーミングアップの重要性がさらに増します。
ポイント:
【暑い日の大会】オーバーヒート対策と省エネがカギ
春〜夏にかけての大会や、都市型のマラソンではアスファルトからの照り返しによる体温
上昇が深刻な問題になります。気温20℃を超えると脱水や熱中症のリスクが一気に高まる
ため、ウォーミングアップも慎重に行う必要があります。
ポイント:
【初心者・完走が目標の人】疲労をためないアップを意識
記録よりも「楽しく完走」が目的のランナーにとって、ウォーミングアップはあくまで「
無理なく身体をほぐす」ことが第一です。必要以上に走りすぎたり、跳躍系の運動を多用
すると、スタート直後に疲れを感じてしまう原因になります。
ポイント:
ウォーミングアップはマラソンを走り抜く為の準備となるので、やりすぎは要注意。
次にウォーミングアップ時における注意事項をご紹介します。
■静的ストレッチを長時間行う
レース直前に長時間の静的ストレッチをすると、筋肉の弾性が低下し、筋力やスピードの
発揮能力が下がる可能性があります。動的ストレッチを中心にしましょう。
■全力のダッシュやジャンプを繰り返す
テンションが上がりすぎて全力疾走したり、ジャンプするのは非常に危険です。特に朝は
筋肉温度が低く、急激な動きでケガの恐れがあります。
理想的な“流し”のやり方:
■整列時間を見誤る・トイレを忘れる
ウォーミングアップに夢中で整列時間を逃すと、本来のブロックより後ろからのスタート
になることがあります。トイレも行列で間に合わないことがあるので要注意です。
対策:
今回はマラソン大会時におけるウォーミングアップについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
マラソン大会当日のウォーミングアップは、ケガの予防やパフォーマンスの最大化のために欠かせない準備です。軽いジョギング、動的ストレッチ、ウィンドスプリントといった基本的なメニューをしっかりと行い、自分のコンディションに合わせて調整することが重要です。
また、天候や大会の規模、自分の目標タイムによってウォーミングアップの内容も最適化する必要があります。「準備を制する者がレースを制す」という言葉を胸に刻み、スタートラインに立ちましょう。正しいウォーミングアップで、ベストな走りを引き出しましょう!
8月18日は、私たちの健康のための健康食育の日。8と18で「八十八=米」という漢字になることにちなんで決められました。
— UP RUN実行委員会 (@uprun_twx) August 18, 2025
今夏も暑い日々続きますが、お身体ご自愛くださいませ。
さて今週のアップランマラソン大会は
23日
第35回スポーツメイトラン二子新地多摩川ハーフマラソン pic.twitter.com/C9G1Qbysrr