COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
日々マラソン大会に向けてトレーニングに励んでいるランナーの皆さんの中には「ぬけぬけ病」といわれる言葉を聞いた事があるランナーの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
マラソンは非常に過酷なスポーツであり、長時間にわたって身体に強い負荷がかかります。そのため、適切な準備やケアが不足していると、様々な身体の不調が発生することがあります。その中でも、「ぬけぬけ病」と呼ばれる状態は、多くのランナーが悩まされる問題の一つです。
「ぬけぬけ病」は、ランナーがマラソン中や終了後に経験する特有の症状を指します。今回はそんな、ぬけぬけ病の原因、症状、予防策、そして回復方法について詳しくご紹介します。もしかして?と思われたランナーの方はぜひ参考にしてみてください。
まずはじめに、改めて「ぬけぬけ病」とはなんなのでしょうか?
「ぬけぬけ病」という言葉は正式な医学用語ではありませんが、ランニングやマラソンに関連する健康状態を指す言葉として、主に日本で使われています。この症状は、マラソンなどの長距離走をした後に、身体が「抜ける」ような脱力感や疲労感を感じ、体がうまく機能しなくなる状態を表します。
ぬけぬけ病は、特に初心者ランナーや十分なトレーニングを行っていないランナーに見られることが多く、エネルギー不足や体内の栄養バランスの乱れが大きな原因とされています。
どのような状態、症状がぬけぬけ病といわれるのでしょうか?
・極度の疲労感: 体全体が重く、動くことが難しいと感じる。
・筋力の低下: 筋肉に力が入らず、歩くことすら困難になる場合もある。
・めまいや立ちくらみ: 立ち上がるときや走行中に突然めまいがする。
・集中力の低下: レース中に集中力が続かず、判断力が鈍る。
・手足のしびれやけいれん: 電解質バランスの崩れによるもので、筋肉の収縮が正常に行われない。
これらの症状が現れると、レースの途中であっても安全のために走行を中断する必要があります。
ぬけぬけ病の原因には、いくつかの要因が絡み合っており、特に栄養、エネルギー、体内の電解質バランスが重要です。次に、主な原因についてご紹介していきます。
・エネルギー不足
マラソンは非常に長時間にわたる運動であり、その間に大量のエネルギーを消費します。体は通常、グリコーゲンというエネルギー源を利用して筋肉を動かしますが、マラソンのように持続的な運動では、グリコーゲンが枯渇してしまうことがあります。この状態を「エネルギー枯渇」と呼びますが、この結果、筋肉の力が急激に低下し、ぬけぬけ病の症状が現れます。
特に、適切な栄養補給を行わずに長距離を走ったり、無理なペースで走り続けたりすることが原因となります。エネルギー補給が間に合わないと、体は急激にエネルギー不足に陥り、力が抜ける感覚に襲われます。
・電解質のバランスの乱れ
マラソン中に大量に汗をかくことで、体内の電解質(特にナトリウムやカリウム)が失われます。電解質は、神経伝達や筋肉の収縮において重要な役割を果たしており、そのバランスが崩れると、筋肉のけいれんや力が入らない状態が引き起こされます。
特に水分だけを大量に摂取し、電解質を補給しない場合、低ナトリウム血症のリスクが高まります。これは、体内のナトリウム濃度が低下し、細胞機能が正常に働かなくなる状態で、ぬけぬけ病のような症状を引き起こす一因です。
・脱水症状
長距離ランニングでは、脱水症状が非常に大きなリスク要因となります。体内の水分が失われると、血液の循環が悪くなり、酸素や栄養が筋肉に十分に供給されなくなります。その結果、疲労感が増し、身体が「抜けた」ような感覚が現れます。
脱水はまた、筋肉の収縮にも影響を与えるため、身体全体の機能が低下します。これも、ぬけぬけ病の原因として挙げられます。
・栄養不足
マラソンの前やレース中に、適切な栄養を摂取しないと、エネルギー不足に陥るだけでなく、体の他の重要な機能にも影響が出ます。特に、糖質、タンパク質、脂質などの主要な栄養素の不足は、ぬけぬけ病を引き起こすリスクを高めます。
また、ビタミンやミネラルの不足も、身体の回復力や疲労感に影響を与えるため、栄養のバランスが乱れることがぬけぬけ病の一因と考えられています。
ここまでは原因をご紹介しましたが、もし当てはまりそうな症状が実際にあるランナーの方は、個人差はありますが事前に予防ができます。ぬけぬけ病を予防するためには、レース前やレース中の準備が非常に重要です。次に、具体的な予防策をご紹介します。
・栄養計画を立てる
マラソンに備えて、レース前、レース中、レース後の栄養計画をしっかりと立てることが重要です。特に、マラソンのような長時間の運動では、炭水化物の補給が欠かせません。
レース前には炭水化物を中心とした食事を摂り、体内にグリコーゲンを十分に蓄えるようにします。
また、レース中にはエネルギー補給用のジェルやバーを定期的に摂取し、エネルギー切れを防ぐことが重要です。適切なタイミングで栄養を補給することで、体がエネルギー不足に陥るのを防ぎます。
・電解質の補給
汗をかくことで失われるナトリウムやカリウムを補給するため、スポーツドリンクや電解質を含むサプリメントを摂取することが推奨されます。特に、長時間のランニングでは、水分補給とともに電解質のバランスを保つことが、ぬけぬけ病を防ぐために重要です。
・適切な水分補給
脱水症状を防ぐために、レース中には少量ずつこまめに水分を摂取することが大切です。
ただし、一度に大量の水を飲むと逆に体内の電解質バランスが崩れる可能性があるため、適度な量を守ることが重要です。特に、レース前日や当日の水分補給にも注意を払い、体内の水分バランスを保つようにします。
・トレーニングでの準備
マラソンに向けたトレーニングは、単に走力を鍛えるだけでなく、身体のエネルギー消費や水分補給、電解質バランスをどのように保つかを学ぶ機会でもあります。トレーニング中に、自分に合った補給方法を見つけ、体がそれに適応するようにしましょう。特に、エネルギージェルやスポーツドリンクの使用に慣れておくことは重要です。
もし、ぬけぬけ病にかかってしまった、すでにかかってしまっている場合は、適切な回復方法をとることで、迅速に体調を回復させることが可能です。
・十分な休息
まずは、体に負荷をかけないように十分な休息を取ることが必要です。体がエネルギーを再び蓄え、疲労を回復するためには、睡眠やリラックスが重要です。
・栄養の再補給
エネルギーが不足しているため、糖質を中心に栄養を補給することが推奨されます。また、タンパク質を摂取して筋肉の修復をサポートすることも重要です。
・電解質の補充
ナトリウムやカリウムなどの電解質も、スポーツドリンクやサプリメントを通じて補充することが必要です。
・水分補給
水分補給も引き続き行い、体内の水分バランスを整えることが重要です。
今回はマラソンにおける「ぬけぬけ病」についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
「ぬけぬけ病」は、ランナーがエネルギー不足や電解質の欠乏などによって経験する体調不良の一形態です。予防のためには、レース前の準備と栄養補給、そして体調管理が重要です。
もし、少しでも自身に当てはまりそうだなと思うランナーの方は予防策をしっかり行いマラソン大会に参加するようにしましょう。
こんにちは(^^)
— UP RUN実行委員会 (@UP_RUN_tw) November 18, 2024
今日は運動したくなる程冷えますね...
お風邪にお気をつけください
さて今週のアップランマラソン大会は
23日
第196回UP RUN皇居マラソン
第73回ポーツメイトラン赤羽荒川ハーフマラソン
24日
2024渡良瀬遊水地オータムマラソン
まだまだお申込み可能☆https://t.co/Vgd4Q7k45n pic.twitter.com/clK6XDfA9R