COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
ベテランランナーさんや、マラソン選手の方は必ず取り入れている「心拍トレーニング」。
マラソンを始めたばかりの人は、ここまで考えて日々のトレーニングを行うと挫折してしまう方もいるでしょう。しかし、マラソン上級者になるにつれて意識し始めるのは大会に出場した時の「タイム」だといえます。
この、心拍トレーニングはタイムを縮める為には必ず覚えておいたほうがいいことです。現在タイムの壁に当たっている、完走できるようになったからタイムを意識し始めている、という方々へ、今回は心拍トレーニングをご紹介していきます。
はじめは少し難しいところもあるかもしれませんが、できるだけわかりやすく紐解いていきますので是非参考にしてみてください。
心拍トレーニングとは読んで字のごとく「心拍」を意識したトレーニングのひとつ。現在は、心拍数が計れる時計もあり気軽に心拍数を計測できるようになっています。
通常、人間の心拍数は1分間におおよそ60拍だといわれています。もちろんこの心拍はランニングやマラソンなどのスポーツをすると、それに伴い上がっていきます。
心拍トレーニングとは、その名のとおり自身の心拍数を計測し、その数値を元に運動強度の指標として行うトレーニングのこと。感覚でトレーニングするだけではなく、自身の体の状況を心拍で管理してトレーニングをする方法です。
ではまず、心拍数の種類を覚えていきましょう。
・安静時心拍数
こちらは、普段の生活の中で何もしていないときの心拍数になります。
一度、自宅でリラックスした状態で計測してみましょう。
性別などにより若干異なりますが、だいたい60~80/分程度です。
ベテランランナーの方は安静時心拍数も変化し、60/分を下回ってくることもあるでしょう。
・最大心拍数
こちらは、スポーツをした際の心拍数というより、自身の今の体でどこまで心拍数を上げられるかの最大心拍値になります。これは計算式から大体の数値が求められ、30歳の場合、「220-30=190」という計算式となります。
今回ご紹介する心拍トレーニングで特に重要なのがこの最大心拍数です。
この最大心拍数をもとに、日々のトレーニング内容や目的に応じて『目安となる心拍数』を算出してみましょう。簡単な計算で「最大心拍数×○○%」で計算できます。さまざまな見解があるのでどれが正解とはいえないのですが、情報をもとに間単にまとめると下記のようになります。
80%を超えると、無酸素運動もしくはそれに近い状態になります。その分だけ運動強度も上がるため、通常のトレーニングでは60〜80%程度を目安にするとよいでしょう。逆にこれより低い数値では、あまりトレーニングの効果が得られません。まずは最大心拍数から目安とすべき心拍数を計算し、それを維持するよう確認しながら走ってください。
自分の心拍数が分かると、「LT値」や「VO2MAX」などの数値も算出できるようになります。すでにマラソンに挑戦しているベテランランナーの方は知っている、聞いたことがある方もいるかと思いますが心拍トレーニングには必要知識となりますのでご紹介していきます。
・LT値とトレーニング
ベテランランナーさんなど、すでに運動強度が上がっている方は、エネルギー源として糖を利用する割合が高まると、糖を消費した結果として血中の乳酸が増加します。血中の乳酸濃度が2mmol/lという値を大きく超えると、長時間の運動の継続は困難となります。この、2mmol/lの値が「LT(乳酸性作業閾値)」と呼ばれます。LTに達する運動強度のときの心拍数が、最大心拍数のおよそ85%とされています。
2mmol/lを超えた運動、すなわち最大心拍数の85%を超えた運動は、長時間継続することが不可能であるということです。
今回ご紹介する「LT値」ですが、これは「乳酸性作業閾(いき)値」と呼ばれるもので、簡単にいうと、LT値から急激に乳酸が溜まり始めるポイントを表します。乳酸が溜まると足が疲労してくるため、フルマラソンやハーフマラソンなどの長い距離を走る際にはこのLT値を超えないようレースペースを考える必要があります。
LT値の算出方法
【(最大心拍数−安静時心拍数)× 0.75+安静時心拍数】
しかし、この乳酸がたまり始めるLT値はトレーニングで高めることができます。
そこまで難しいものではなく、自身のLT値を上記の計算式で算出し、それに近い数値を維持しながら走ることで改善されていきます。
このLT値が高まることで、レース中に乳酸がたまるタイミングが無くなる、または後ろ倒しになります。より速いペースを長時間維持して走れるようになるでしょう。
マラソン上級者の方であればこの「VO2MAX」という言葉も聞いたことがあるのではないでしょうか。
V = 量(volume)、O2 = 酸素、max = 最大限、すなわち「最大酸素摂取量」を意味し、1分間で体重1kgあたり体内に取り込める酸素量の最大値(単位はmL)を表します。
持久的運動のパフォーマンスを向上させるには、持久的運動を行っている時にどれだけ多くのエネルギーを産み出し続けることができるかが問われます。その能力を判断する一つの目安として、「VO2MAX」となるのです。
簡単に考えるとこの「VO2MAX」が高ければ、体重1kgあたりで1分間に使える酸素量が多いことになります。その分生み出せるエネルギー量が多いため、マラソン時にはより速く走れると考えられます。
実は、マラソンには自身が体内に取り込める酸素量、すなわちこの「VO2MAX」で自身のフルマラソンの予測タイムも割り出すことができます。
酸素は、通常に生活を送る上で体内におけるエネルギー生成に欠かせないものです。先ほども少しお話しましたが、より多くの酸素を取り込めることで、それだけ多くのエネルギーが体内で生み出せるということ。つまり「VO2MAX」は、長時間にわたって走り続けるフルマラソンやハーフマラソンでは非常に大事な指標のひとつなのです。
この「VO2MAX」ですが、自身の最大心拍数と安静時心拍数がわかっていれば以下のような簡単な計算式でもおおよそですが算出できます。
【15×最大心拍数÷安静時心拍数】
「VO2MAX」を高めるには、普段のトレーニングよりも体に負荷がかかるように少しきつめのメニューを取り入れてみてください。
また、その際に常に意識していただきたいのは今回ご紹介している内容の肝の部分でもある「心拍数」。
基準としては、最大心拍数の90%前後を目安に行うようにしましょう。
ですが、あまり体に負荷がかかるトレーニングを頻繁に行うと思わぬ故障にもつながります。また、体に疲労がたまったままトレーニングをしてもあまりいい効果は得られません。適度に休息を取り入れて、体調管理をしながら望んでみてください。
今回は心拍トレーニングについてご紹介しました。
ちょっと内容的には難しいところもありますが、ベテランランナーを始めマラソン選手も行っています。
マラソン大会に参加して完走はできるけどなかなかタイムが縮まらない、トレーニングしているけどタイムが縮まらないなど、課題点がある方は一度自身の心拍数を意識してトレーニングをしてみて良いかもしれません。
筋力をアップするようなトレーニングも重要なのですが、一度自身の体と向き合い、内から改善していくといろいろな壁に当たっている方は解消するかもしれませんね。是非参考にしてみてください。
こんにちは☆
— UP RUN実行委員会 (@UP_RUN_tw) December 3, 2024
体を動かして温まるのいいですよね(^ ^)
さて今週のアップランマラソン大会は
7日
第74回スポーツメイトラン赤羽荒川ハーフマラソン
8日
第71回UPRUN新横浜鶴見川マラソン
第69回スポーツメイトラン東大島小松川公園ハーフマラソン
まだお申込み可能☆https://t.co/Vgd4Q7k45n pic.twitter.com/AgkXpVr2KJ