UP RUN

  • MARATHON COLUMN

    マラソン豆知識

    マラソンには腹筋が必要?効率のよい鍛え方とは?

    マラソンには腹筋が必要?効率のよい鍛え方とは?

    マラソンなどで長距離を走る際や、日々のランニングでもそうですが、走るために様々な筋肉をつかっています。
    走る際に足を使うため、足の筋肉を使うのはもちろんですが、走るという動作自体全身の筋肉を使って走るため、胸、背中、肩、お尻など、マラソンを走り切るためには全身にしっかりと筋力をつけておくことが重要です。

    その中でも、筋トレを行っていないランナーは下半身の筋肉量に比べ上半身の筋肉量が極端に少ない傾向にあります。あまり必要ないと考えられている上半身の筋肉ですが、きれいなフォームを意識して走る際は必ず必要になってきます。

    その中でも特に意識してほしいのが『腹筋』です。
    長い距離を走るマラソンの後半はよく、足の代わりに腕で走るともいわれています。この際に腕を支えるのが腹筋になるためです。

    今回はそんな腹筋を効率良く鍛える方法をご紹介していきます。
    腹筋はとても大事な筋肉です。自宅でも簡単にトレーニングに取り入れられるメニューでしっかり鍛えることができますので、是非参考にしてみてください。

    腹筋ってどんな筋肉の種類があるの?それぞれの役割とは。

    腹筋を効果的に鍛えるには腹筋の種類を知って、それに合わせた筋トレを行うのがポイントです。腹筋というとお腹前面にあるシックスパックをイメージする方が多いかもしれません。

    まず、腹筋に含まれる筋肉は前面にあるものと側面にあるものでこのように分けられます。

    【前面にある腹筋】
     ・腹直筋

    【側面にある腹筋】
     ・外腹斜筋
     ・内腹斜筋
     ・腹横筋

    前面には1つの腹筋があり、側面には3つの腹筋があるということが分かります。また腹筋の種類は表層にある「アウターマッスル」と深層にある「インナーマッスル」でこのように分類されます。

    【アウターマッスル】
    ・腹直筋
    ・外腹斜筋

    【インナーマッスル】
    ・内腹斜筋
    ・腹横筋

    では、このように構成された腹筋の役割をそれぞれご紹介します。

    ・腹直筋(前面/アウターマッスル)
    物を持ちあげたりする時など日常生活において最もよく使われる筋肉です。また、「シックスパック」と呼ばれ一般的にイメージされる腹筋がこの腹直筋です。この筋肉の繊維は縦方向に走っていて、骨盤前部を引き上げる働きと脊髄を前方へ曲げる体幹を屈曲させる働きがあります。

    ・外腹斜筋(側面/アウターマッスル)
    側面にある筋肉では一番表層にある筋肉です。肋骨の外側から斜め下に向かっているのが大きな特徴です。脊髄を横に広げて体幹を側屈させたり、体を反対側に捻るときの体幹回旋という働きがあります。

    ・内腹斜筋(側面/インナーマッスル)
    外腹斜筋に対して内腹斜筋の繊維は直角に走っているのが大きな特徴です。外腹斜筋とともに体幹の側屈や回旋の働きをし、体幹屈曲の働きにも関わっています。

    ・腹横筋(側面/インナーマッスル)
    大きな特徴としては、筋肉の繊維が横方向に走っていることです。お腹を凹ませたり、腹式呼吸で息を吐く働きをする時に腹横筋を使います。また、腹筋の中で一番深い部分にあり、お腹全体を覆っています。

    マラソンに耐えうる腹筋を効率よく鍛える方法とは??

    腹筋の4つの種類と役割をご紹介しましたが、長い距離を走りぬくためにはすべての腹筋の箇所をバランスよく鍛える必要があります。
    では、その腹筋を効果的に鍛えるにはどのような方法があるのでしょうか?
    次にそれぞれの筋肉に合わせた筋トレをご紹介します。

    腹直筋(前面/アウターマッスル)

    腹直筋を効果的に鍛えるには、体幹を屈曲させる働きのある筋トレを行うのがおすすめです。では、腹直筋を鍛えるためにおすすめの筋トレをみていきましょう。

    <クランチ>
    体幹を屈曲させる一番基本的なトレーニングです。このような手順で行います。

    1. 仰向けになり両膝を軽く曲げる
      ポイント:指先は耳の横か頭の後ろに当てる
    2. 腹筋に力を入れ上体をゆっくり上げていく
      ポイント:肩甲骨が床から離れるぐらいまでを意識する・背中は丸める
    3. ゆっくりと元に戻る

    <応用>
    このクランチが普通にできるようになったら、このような効果的なパターンを行うのもおすすめです。

    V字クランチ
    クランチよりさらに負荷がかかる筋トレです。腰を軸にして頭部と足を上げ体をVの字の状態でキープさせます。腹筋だけではなく、体幹と太ももの力も必要になるので中級者以上向けです。

    ・ツイストクランチ
    クランチから上体のひねりを加えた筋トレです。クランチが腹直筋の働きをメインとした動きだったのに対し、腹斜筋にも刺激を与えることができます。ひねったままキープするため、体幹がより鍛えられクランチよりも効果的な筋トレと言えるでしょう。

    外腹斜筋(側面/アウターマッスル)と内腹斜筋(側面/インナーマッスル)

    外腹斜筋と内腹斜筋はセットで考えて筋トレを行うのが効果的です。この二つの腹筋を鍛えるとくびれが作られ横腹全体を引き締める効果も期待できます。では、おすすめの筋トレをみていきましょう。

    <バイシクルクランチ>
    その名の通り、「バイシクル=自転車をこぐ」ように行う筋トレです。腹筋を鍛えるためには最も優れたトレーニング方法とも言われ、特に内腹斜筋がよく鍛えられます。このような手順で行います。

     1.仰向けになり足を90度に持ち上げ腹筋を使い頭と肩を浮かせる
      ポイント:手は耳の後ろに軽く添える

     2.左足をまっすぐ伸ばしていき、脇腹を捻りながら左肘と右膝を近づける

     3.逆側で同じ動きを行い自転車でこぐように交互に繰り返す

    また、バイシクルクランチ以外にも腹直筋でご紹介した<ツイストクランチ>も外腹斜筋と内腹斜筋には特に効果的です。

    腹横筋(側面/インナーマッスル)

    お腹を凹ませたり腹式呼吸に大きく関わる筋肉なので、呼吸がここでは特にポイントとなります。ではどのような筋トレがあるのがみていきましょう。

    <ドローイング(ドローイン)>
    腹横筋を強化する筋トレとして特に効果的なのがドローイングです。息を最大限まで吐き出し、ゆっくりと最大限吸い込む呼吸法のトレーニングです。腹を凹ませる力が必要なので腹横筋をフルに使います。では、やり方をご紹介します。

    1.仰向けになってお腹に両手を添える
     ポイント:背筋はしっかり伸ばしておく

    2.息をゆっくり吐き出す
     ポイント:お腹を凹ませ最大限吐き出す・この状態を20〜30秒キープする

    3.最大限吸い込んで繰り返し

    簡単に吸って吐くというのではなく、息を吐き出す時間と吸う時間は長ければ長いほど効果が期待できます。

    <プランク>
    続いて、効果的な体幹トレーニングとしてぜひ取り入れたいのがプランクです。腹横筋を鍛えるトレーニングとしても優秀です。ではやり方をご紹介します。

     1.うつ伏せになる

     2.肘で体を支えるようにして上半身をゆっくり持ち上げる

     3.腰を持ち上げ体をまっすぐにキープさせる

    できるだけ長くキープできると効果がより期待できるので、目標を設定して時間を延ばしていきましょう。

    筋トレはどのくらい目途でやればいいの?頻度と回数とは?

    腹筋を鍛える筋トレはやればやるほど効果が出る、というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。また逆に、やりすぎない方が良いと聞いたことがある方もいるかもしれません。

    実際のところはどうなのでしょうか?筋トレの頻度と回数について詳しくご紹介していきます。

    筋トレの頻度のポイントは超回復と筋肉痛

    <超回復とは>
    「超回復」という言葉を聞いたことはありますか?筋トレを行うと、筋肉に負荷がかかり筋繊維が傷つきます。筋繊維を傷つけてしまうと筋肉の状態は悪くなります。その際に自然治癒力によって筋繊維が元の状態に戻ろうとするため、筋トレ前よりも強くなります。この状態のことを「超回復」と呼びます。

    <筋トレの頻度は超回復の状態から決める>
    筋肉が大きく強くなろうとする超回復ですが、これには個人差がかなりあります。24時間ほどで回復する人もいれば、2〜3日かかる人もいます。この超回復にかかる時間を無視して無理に筋トレを行ってしまうと、筋肉がどんどん破壊されてしまい、頑張った成果が得られなくなってしまう可能性があります。

    <筋肉痛を一つの目安にする>
    超回復の一つの目安になるのが「筋肉痛」です。筋トレをした翌日に感じることの多い筋肉痛ですが、まだ痛みがあるうちは筋繊維にまだ傷が付いているので、しっかりと休息を取るようにしましょう。

    <腹筋は比較的回復が早い>
    それでも腹筋は比較的回復が早いとされています。その理由として、腹筋は多くの骨とつながっていることや血流の流れが良いことが関係していると言われています。回復が早いとされていてもやはり超回復のタイミングを見計らって、修復されたらまた筋トレを行うということは徹底した方が効果的と言えるでしょう。

    筋トレの効果的な回数

    できるだけ多くの回数をこなして早く効果を出したいところですが、やりすぎると逆効果になってしまうことも考えられます。

    効果的な回数は、15〜20回×2〜3セットを基準に行うのが一般的です。意外と少なく見えるかもしれませんが、たくさんやれば良いというわけではありません。また、集中してやることによりしっかり腹筋を鍛えることができます。
    15〜20回×2〜3セットという回数でも効果的にするためにはポイントがあります。では、そのポイントをみていきましょう。

    ・腹筋を意識して行う
    筋トレを行う際に最も重要なのが、腹筋を意識することです。今どこの筋肉を鍛えているのか、ということに集中して行います。これだけでも、意識しない場合と差が出てくるので、効果的に行うためにもしっかり集中するようにしましょう。

    ・スピードを意識して行う
    筋トレは素早くやって数だけこなすというよりも、ゆっくり集中して少ない回数で行う方がおすすめです。できるだけゆっくり筋トレをしてみると、かなりの負荷がかかるので最初は相当きつく感じるかもしれません。慣れてくると回数を増やせるようになるので、まずはゆっくりのペースでしっかり行うようにしましょう。

    まとめ

    今回は、マラソンに耐えうる腹筋の必要性と効率が良いトレーニングの仕方をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?

    初めにお伝えした通り、マラソンは下半身の筋肉のみではなく、上半身の筋肉が非常に重要になります。
    その中でも腹筋は、きれいなランニングフォームを維持しながら走るために重要な部位で、腹筋を鍛えることでタイムの更新や長い距離を走れるようになることも期待できます。

    また、腹筋を鍛えるのは自宅でも簡単に導入できるトレーニング方法で良いため、マラソン大会に向けたトレーニングに簡単に導入しやすいものでもあります。

    日々の積み重ねが結果に結びついてくるので、途中でめげずバランスの取れた腹筋を作り上げてみましょう!

    >>マラソン豆知識の一覧に戻る

    >>UPRUNおすすめ大会一覧はこちら!