COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
ランニングやマラソンに限らず運動することにより『貧血』になってしまった経験がある方もいらっしゃいませんか?
貧血と聞くと女性がなってしまうイメージが強いですが、スポーツをしている男性でもよく引き起こす可能性が高く、貧血に悩まされている方も多いと思います。
スポーツをした際に、ものすごく息切れをしたり、めまいやふらつきを感じた場合それはもしかしたら『スポーツ性貧血』の可能性があります。
実は、ランナーに限らずどのスポーツでも、アスリートは普通の人よりも貧血になる可能性が高い傾向にあります。
今回はアスリートがなる可能性が高い『スポーツ性貧血』について、原因と予防策をご紹介していきたいと思います。
『スポーツ性貧血』とは、ネット等で調べると様々な見解があります。いろんな要因が重なって起きた『貧血』の症状を指していることが多く見受けられます。
ランニングやマラソンなど激しいスポーツをした後に食欲が落ちてしまう事がある経験がある方もいるでしょう。そうなると十分な食事量、すなわち栄養が取れず、貧血を引き起こす原因ともなる『鉄分』が不足しがちになります。
また、マラソンのような激しいスポーツをした際はかなりの汗をかくことになります。日常生活をしていく上でも汗をかいているのですが、スポーツのように大量に汗をかくと体内から鉄分が汗と一緒に体外へ流れ出てしまう場合があります。
このようなことが原因で発症する貧血は『鉄欠乏性貧血』と言われるのですが、スポーツをすることにより大量に汗をかくことで発症するため『スポーツ性貧血』と呼ばれる場合があります。
激しい運動をすることで酸素の消費量が急激に増えるため、身体が順応しようとして体内の血液の流れが通常より活発になるため、血中のヘモグロビンの濃度が薄くなることで引き起こす貧血も『スポーツ性貧血』に含まれるもの。
マラソンなどをして身体に負担がかかると毛細血管衝撃が加わり、ヘモグロビンが破壊されて血液が大量に溶血してしまい引き起こす『溶血性貧血』も『スポーツ性貧血』と考えられます。
スポーツ性貧血の原因とも考えられる『鉄欠乏性貧血』と『溶血性貧血』をもう少し詳しく解説していきます。
先ほども少しご紹介しましたが読んで字のごとく『鉄分』が不足することで引き起こされる貧血です。
血中のヘモグロビンは鉄を含む『ヘム』という色素、たんぱく質を含む『グロビン』からできており、これが赤血球の中で酸素を結合して身体の中を循環しています。
ランニングやマラソンをしているアスリートの方に置き換えると、激しい運動をすると活動量が普段より多くなるため、身体は酸素を多く全身に運搬する必要があり、それに従い鉄分も普段より多く必要になるので、鉄分が不足していると貧血を起こしやすくなります。
また、食事で鉄分やたんぱく質が不足していると、運動中の発汗により鉄分が失われるのでこれにより貧血を起こします。そのため、激しいスポーツほど大量の汗をかくため鉄分やたんぱく質が不足しているほど貧血になりやすくなるので、長時間身体を動かし続けるマラソンなどは、貧血になるリスクが高くなります。
ランニングやマラソンに置き換えると硬いアスファルトの上を走ることにより、身体は相当な衝撃を知らぬ間に受けています。
足の裏に強い衝撃が加わることにより、溶血が起こる可能性がありマラソンをしている方は貧血になるリスクが高くなります。
また、マラソン同様身体のどこかに衝撃を受けるスポーツもこの溶血性貧血が起こりやすくなる可能性もあります。
また、上記以外にも『希釈性貧血』というものがあります。
この貧血はあまり症状が出るものではなく検査の結果でわかることが多いのでそこまで気にする必要はないのですが、『希釈性貧血』とは血中の水分量が増加することで、相対的に赤血球やヘモグロビンの濃度が低下してしまう事で引き起こされる貧血です。
スポーツ選手は、普通の方より心肺機能や筋肉量がすぐれているため、血中の水分量が増加する傾向にあります。血液をサラサラにして血流を良くし、酸素を多く運べるようにするようになった結果です。あまり症状が出ない物で逆にいうと激しい運動量に耐え抜く身体になってきた証拠とも言えます。
貧血の予防や対策は普段の食生活をいつも以上に気を使うことである程度は可能です。単純に考えると、大体の貧血は血中の組織の元なる栄養素が低下して発症することが殆どなので、それを補えばいいだけの話しなのです。
よく貧血に悩んでいる方は『鉄分』を多く取るように心がけている人もいるかと思います。マラソンなどの運動量が高いスポーツをする方は一般の方よりも2倍の量の鉄分を摂取しなければならないなどの見解もあるくらいです。
自身で、運動量の激しいスポーツをしていないという認識でも、週の半分以上定期的にランニングや体を動かしている方は、同じ量が必要だと考えてもいいでしょう。
鉄分が多い食べもの代表としてはよくレバーが挙げられますが、レバーが嫌いという方も多いと思います…
鉄分はその他の食材にも多く含まれており、牛肉の赤身、貝類、カツオやマグロの刺身、大豆、小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜に非常に多くの鉄分が含まれています。
この他にも鉄分が含まれている食材もあるため、好き嫌いがある方でも食材の選択肢があれば普段の生活にも取り入れることが可能です。
また、簡単に鉄分を摂取できる方法としては鉄分を多く含む飲むヨーグルト、サプリメント等もおすすめできます。
他にも鉄分を添加した牛乳などもありますが、普通の牛乳とくらべるとあまりおいしくないので好き嫌いは分かれるかもしれません…
鉄分を摂取する際に一緒に『ビタミンC』や『クエン酸』摂取する事もおすすめです。
鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄という種類があって、非ヘム鉄に関しては体内に吸収されにくい性質を持っています。
身体にとってはどちらの性質を持つ鉄分も必要となるのですが、この吸収率が悪い非ヘム鉄はビタミンCとクエン酸などを一緒に摂取することで吸収率を高めてくれる効果があります。どちらも効果的に摂取するにはやはり柑橘系の果物がおすすめ。デザートに柑橘系の果物を食べるようにするといいでしょう。
最後に、鉄分を摂取する際に注意して欲しいのは、緑茶やコーヒーを食事中にとらないようにすることです。
コーヒーや緑茶に含まれる『タンニン』というものが、鉄分(非ヘム鉄)と結合して体内への栄養の吸収を阻害する働きがあります。
どうしてもコーヒーなどを食後に飲みたい方は、できるだけ食後30分は空けて飲むようにしましょう。
今回は、激しい運動が原因で引き起こされる貧血『スポーツ性貧血』とよばれている貧血についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
貧血は女性に限らず、男性でも悩みを抱えている方が多く、この記事をご覧になってくださっているランナーの中にも悩みを抱えている方がいるかと思います。
『貧血』で自己解決するのではなく、自身で貧血の原因を理解し向き合っていくことで改善されることがあります。
もちろん、症状がひどい方は一度医療機関へかかることもおすすめします。そして日々の生活を食生活から見直して改善することで、ランニングやマラソンを、貧血を気にせずに取り組むことができるので、ぜひ参考にしていただければと思います。
みなさんのUP RUNマラソン大会へのご参加心よりお待ちしております!
こんにちは。
— UP RUN実行委員会 (@UP_RUN_tw) December 23, 2024
昨夜は空気が澄んでいて星が綺麗でした☆
さて、今週のアップランマラソン大会は
28日
第165回スポーツメイトラン皇居マラソン
29日
第71回UPRUN市川江戸川ハーフマラソン
30日
第32回スポーツメイトラン府中多摩川風の道マラソン
31日
第199回UP RUN皇居マラソン
全て年末特別Verです。 pic.twitter.com/smWjGid1Gb