COLUMN
コラム 〜マラソン豆知識〜
日々マラソン大会に向けてトレーニングを励んでいるランナーの皆さんの中に【TT】
というワードを聞いた事がある方もいらっしゃるではないでしょうか?
TTとはマラソンのタイムトライアルの事で、トレーニングや競技準備において重要な役割を果たします。TTは個人の現在の実力を測定し、目標設定やトレーニング計画の見直しに役立ちます。今回は、マラソンTTの概要やその方法、トレーニングへの活用法、利点、注意すべきポイントについて詳しくご紹介します。
タイムトライアルとは?
タイムトライアルとは、自分の持てる力を発揮して一定の距離を走り、そのタイムを測定することです。通常、目標とする大会の距離(フルマラソン42.195kmやハーフマラソン21.0975km)全てを走るのではなく、一部の距離(5km、10km、30kmなど)を設定して行います。
TTは、以下のような目的で実施されます
・現在のフィットネスレベルや実力を確認する
・大会に向けた目標タイムの予測
・トレーニング効果の評価
・スピードと持久力のバランスを確認
TTは個人の走力を数値化する手段であり、客観的なデータを基にトレーニングを最適化できます。
マラソンTTの方法と実施ステップ
TTは目的をもって実施すべきものですが、次にTTの方法と実施の仕方についてご紹介していきます。
1. 距離とコースの選定
TTを行う距離は、目的に応じて決めます。
5km・10km: スピード能力を測定。
20km・30km: 長距離ペースの確認。
フルマラソン距離: 実際のレースシミュレーション。ただし疲労が大きいため、推奨される頻度は少ない。
また、コースは平坦で交通量が少なく、安全な場所を選びます。GPSウォッチで正確な距離を測定できるとさらに良いでしょう。
2. タイム目標の設定
自身の過去のレース記録やトレーニングデータから、現実的な目標タイムを設定します。例えば、10kmのベストタイムが45分であれば、30kmのTTでは4分45秒/kmのペースを基準に計画します。
3. ウォームアップ
TTを始める前には十分なウォームアップが必要です。ジョギング、動的ストレッチ、ドリルなどで体を温め、心拍数を上げておきます。
4. タイムトライアルの実施
設定した距離を全力で走ります。ただし、フルパワーを最初から出すのではなく、適切なペース配分が重要です。序盤でのオーバーペースは後半の失速に繋がります。
5. 記録の確認と分析
走り終えたらタイムやペース、心拍数、感覚などを記録します。これにより、トレーニングの成果や改善点を具体的に把握できます。
【トレーニングでの活用法】
TTは単なるタイム測定だけでなく、トレーニングの一環としても重要です。以下のような方法で活用できます。
1. ペース感覚の向上
TTを繰り返すことで、自分のペース感覚を鍛えることができます。特に長距離では、適切なペースを維持するスキルがレース成功の鍵となります。
2. メンタル強化
TTでは限界に挑戦することで、自己の精神的な強さを高められます。レース中のプレッシャーや疲労感への耐性も向上します。
3. トレーニング効果の評価
定期的にTTを実施し、記録の推移を追うことで、トレーニングの効果を確認できます。例えば、同じ条件で行った5kmのTTタイムが改善されていれば、フィットネスが向上していると判断できます。
【タイムトライアルの利点】
1. 自己評価ができる
タイムという具体的な数値で自分の成長を確認できます。これにより、モチベーションを高めることが可能です。
2. レース準備に最適
TTはレース本番を想定したシミュレーションとして役立ちます。レースのペースや給水タイミングを実際に試すことができます。
3. 持久力とスピードのバランス確認
短い距離のTTではスピード、長い距離では持久力の確認ができます。このデータを基に、個人の弱点を補うトレーニングを計画できます。
TTを実践する場合の注意点とは?
今回ご紹介するマラソンにおけるタイムトライアル(TT)を効果的に実施するには、いくつかの注意点を押さえることが重要です。TTは身体的・精神的に負担が大きいため、適切な準備と管理が必要です。次に、マラソンTTを行う際の注意点を詳しく説明します。
1. 頻度とタイミングの管理
頻繁に実施しすぎない TTは高い負荷を伴うため、疲労の蓄積を防ぐためにも頻度を抑えることが重要です。1か月に1〜2回程度が目安です。
レース直前は避ける TTは身体に大きなダメージを与える可能性があるため、レースの2〜3週間前に実施するのが一般的です。レース直前に行うと疲労が抜けきらないまま本番を迎えてしまいます。
2. 適切な距離の選択
フルマラソン全距離を走らない フルマラソン距離のTTは身体への負担が非常に大きく、怪我やオーバートレーニングのリスクを伴います。通常、5km、10km、20km、または30kmの距離を選ぶことが推奨されます。
目標に応じた距離を設定 短い距離のTT(5〜10km)はスピード確認に、長い距離のTT(20〜30km)は持久力の確認に適しています。目標とするレースに合わせた距離を選びましょう。
3. ペース配分に注意
最初から全力で走らない TTは全力で挑むものですが、スタートから力を出し切ると後半で失速する可能性があります。一定のペースで走ることを意識し、序盤は体力を温存しましょう。
適切なペースを設定する 過去のトレーニングデータやレース結果を基に、現実的なペースを決めます。過剰に速いペースを設定すると途中で挫折感を味わい、メンタル的にもマイナスです。
4. 体調と疲労管理
体調不良時は避ける 風邪気味や体が重いと感じる日には無理にTTを実施しないようにしましょう。悪化するだけでなく、記録も不本意な結果に終わる可能性があります。
前後の休養を確保する TT前には軽めのトレーニングを行い、TT後は積極的に休養を取る必要があります。特に長い距離のTT後は数日間を回復期間として設けましょう。
5. 安全面への配慮
コースの選定 車通りの少ない安全な場所を選びます。公園やランニングトラックが理想的です。また、天候や路面状態にも注意してください。
補給の準備 長い距離のTTでは水分補給やエネルギー補給が欠かせません。給水ポイントを事前に設置したり、スポーツドリンクやジェルを携行しましょう。
夜間や早朝の実施に注意 暗い時間帯に実施する場合は反射材やライトを装着し、視認性を高めて安全を確保してください。
6. データの活用と分析
結果を記録する タイム、平均ペース、心拍数、走った感覚(体感的な負荷)などを記録します。これによりトレーニングの進捗を客観的に評価できます。
短期的な失敗にとらわれない TTで思うようなタイムが出なかった場合、その日の体調や外的要因を考慮して次回に活かしましょう。一度の結果に過度にこだわる必要はありません。
7. メンタル面の準備
明確な目標を持つ 漠然としたTTでは効果が半減します。「10kmを50分以内で走る」など、具体的な目標を設定しましょう。
集中力を維持する 長い距離のTTでは特に、中盤以降の疲労により集中力が途切れやすくなります。途中で心が折れないよう、ポジティブなマインドセットを持つことが大切です。
8. 環境条件を考慮
天候に合わせた計画 高温多湿の環境や強風時にはTTの結果に影響が出るため、可能であれば条件が良い日に実施するよう調整します。
装備の確認 履き慣れたランニングシューズ、適切なウェア、天候に応じた装備を整えましょう。シューズの性能は特にタイムに影響します。
まとめ
今回はマラソンにおけるTTについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
マラソンのタイムトライアル(TT)は、現状の実力を確認し、トレーニングや目標設定に役立つ貴重な方法です。しかし、適切な頻度と準備がなければ逆効果となる可能性があります。安全性や体調管理を最優先し、効果的にTTを活用してレース本番に向けた準備を進めマラソン大会に挑みましょう。
こんにちは
— UP RUN実行委員会 (@UP_RUN_tw) January 20, 2025
今日は大寒
大寒にちなんで【シマエナガの日】ともいうようです
さて今週のアップランマラソン大会は
25日
第200回UP RUN皇居マラソン
第8回スポーツメイトラン横浜シーサイド海の公園マラソン
21日
第64回UPRUN北千住荒川ハーフマラソン
第82回スポーツメイトラン新横浜鶴見川マラソン pic.twitter.com/CgTv1JOq8r